第12章

第108話 再びのシルフィーネ



 シルフィーネの丘


 たぶん連中の拠点は、レベリングの場所からそう遠い場所ではないはず。

 そう思って、僕達は再びシルフィーネまでやってきた。


 時刻はもう夕暮れ時になってて、昼間見た時よりもプレイヤーが少ない。

 一応そこにいる連中の事もチェックしてみたけど、シロナが見覚えのある奴らはいなかった。


 ここから、どうやって連中の居場所を探しだすかが問題だ。


「ニルバっちお兄さんは大変だねー。らいかちゃんだっけ? どんな子なのかな。私も会ってみたいなぁ」


 で、なんでアリッサまでついて来てるんだろう。

 情報提供までで、もう仕事は終わったはずなのに。


 依頼した分以外で働かれても、お金は出せないんだけど。


 ジト目で見てたのに気が付いたんだろう、視線があった彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべた。


「何でって、この間の借りを返しにかな。情報屋としては特定のプレイヤーに肩入れするのは駄目だけど、恩人の窮地は見過ごせないもんね」

「……ふーん、そう。別にいいけど」

「えー、何その顔。迷惑そうだけど、弾除けくらいにはなりそうだから一応つれてこ、みたいな顔。ニルバっち鬼畜!」


 そこまでは思ってない。

 ちょっと意外に思っただけ。

 軽そうに見えるけど、義理堅い所もあるんだなって。


 でも、その言葉どこまで当てにしていいんだろう。

 どうにもアリッサは本心が読めない所があるんだよね。

 のらりくらりとやり過ごす態度を見てると何考えてるんだか分かんなくなるし。


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