第101話 コツ
レベリングにはコツがある。
やみくもにモンスターを狩れば良いわけじゃないという事は、中級者以上のプレイやーなら誰でも知っているだろう。
セオリー通りなら、効率よく経験値を手に入れるために、自分達よりも強い高レベルモンスターに戦闘をふっかけ、パーティーで集団戦をしかける。けれど、僕達の場合はそうはいかない。
特にゲームを始めた初心者が、その方法でレベリングをするのは難しい所があった。
だから僕は、そういった人達のために手軽に経験値を増やせる方法を選択。
それは、連続攻撃回数を増やしたり、相手から攻撃を受けずに敵モンスターを撃破するという方法だ。
そうするとボーナスとして、モンスター撃破時に入る経験値が元の数値より上がるのだ。
そういうわけで、安全で堅実な方法を採用したんだけど……。
「らいか、ほら当たるぞ。避けろって」
「う、うん」
戦闘ちゅう。
らいかの構えた杖がモンスターにかすった。
ぼこっとなぐろうとしたけど、擦り傷程度のダメージにしかならなかったようだ。
ちょっとおしい。手こずってるみたいだ。
相手は草地に出現する俊敏なモンスター……ウルフだから、早く動いた方がいい。
僕は何か改善点が見つかったら、その都度らいかに伝えていったけど、デスゲーム世界に来てしまった環境を意識してるのか、動きが若干ぎこちない。
で、そんなだから、急に別のタイプのモンスターが現れたりすると、危なくなってしまう。
どうにも来夏に対処できなさそうなのが現れると……。
僕の出番だ。
「仕方ないなぁ」
現れたのは、黄色と黒の警戒色を身に纏ったモンスター、ワイルドビー。
30センチくらいの蜂みたいなモンスター数体を剣で切りふせていく。
でも、これでも順調な方。
戦闘時のらいかは、ちょっと腰が引けてるところがあるものの、中級者程度のプレイヤーと比べても見劣りしないくらいの実力があった。
おかしいな。
らいかは剣道とかしたことないし、棒術とかも習った事はない。
普通の中学生だったはずで、ケンカもした事は無かったはずだ。
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