第48話 ゲコールの群れ
フレンドでアリッサの居場所を逐一確認して、後を追いかけながら、町中を移動していく。
町の外周から入り込んでくるもんだから、外に向かう道を選ぶとモンスターの数が多くなってちょっとやばくなる。
ここまでくるまでに、モンスターと遭遇しない事はなかったけど、いても数体だけだったし、他のプレイヤーもいたから、逃走一択だった。
けれど、そうそう僕達に甘い状況は連続してくれないらしい。
ゲコールの群れに遭遇してしまった。
カエルのような見た目をしているけど、実物とは大違い。
ファンタジーオンラインゲーム仕様の姿になった、そいつらは幼児くらいの体調があって、ゲコゲコうるさく鳴きながら、口から泡とか水鉄砲とか吐き出してくる。
初心者から中級者用のモンスターで、レベルやフィールドに応じて体表の色が変わったり、属性とか技が変わったりするのが特徴。
目の前にいるのは青っぽい色のカエルモンスター。
属性は水属性だ。
「ゲコ!」
「ゲコゲコ!」
「ゲッコ!」
猫とか犬とはカエル型のモンスターとかは、他のモンスターと比べて割合可愛らしくデザインされているらしく、女性プレイヤーに一定のファンがいるみたいだ。
けど、僕にはその良さが分からない。
限定品のアクセサリーとか小物とかが、仮想世界・現実世界共に販売されているらしいけど、興味がないから手に取った事はなかった。
「シロナ、ああいうモンスター見て、さすがに『可愛いから攻撃できません』とか言わないよね」
「そんな事言いませんよ」
良かった。
そこまでアレだったら、これからのフォローどっかになげようかと思うところだった。
けど。
「でも、弱ってるところを見るとつい攻撃の手を緩めちゃって、反撃されちゃうことはあります」
「……やっぱりシロナだったか」
「やっぱりって何ですか」
その博愛精神的なの、状況を見てどうにかひっこめられないの?
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