第49話 レベル



 愛用の武器であるイクスロンドで、さくさくっとゲコールの群れを切り飛ばしている。

 幸いにして、モンスターとはレベルの差があったみたいで、難なく撃退することができた。


 数秒もかからず、ゲコール達を経験値とドロップ品にかえていくと、向こうも不利をさとったらしい。


 ゲコゲコ鳴きながら、(もともと青いけど)青ざめた表情になって、一目散に逃走していった。


 一定以上のレベルの開きがある場合とか、特別なスキルを持っている場合は、低モンスターが戦闘を回避してくれるから助かる。


「ニルバさんってレベルいくつ何ですか?」

「ひみつ、そう簡単に教えると思う?」

「そうですよね」

「シロナはいくつなの?」

「私は30ですよ」

「教えるのかよ」


 一応僕さっきのやりとりで、個人情報をさらさないように釘をさしたつもりだったんだけど、遠回しすぎて伝わらなかったらしい。

 シロナのアホ。


 終わったらこれ、ガチ説教タイムかな。

 いくらなんでも、こんな箱庭娘をそのまま放っておいたら、いつか大変な事になる。


 アリッサが教育してくれてたら良かったのに。

 友達じゃないの、何やってるんだよ。


「あっ、ニルバさんまたモンスター達が」


 会話をしている内に、また敵モンスターとエンカウントしてしまったらしい。

 うっかりのんびりしている場合じゃなかった。


 次に現れたのはアメンボウズという、アメンボに似た姿をしたモンスターだ。


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