第30話 行っちゃう?
目の前で、おばさん達が岩をどかして、おそらくそこにある隠しスポットへの入り口を通って、地下へ向かっていっている。
「うーん……」
どうする?
行っちゃう?
水晶草が見つかる可能性はきっとある。
でも、あいつら独占する気満々だし、他のプレイヤーに分け与えるにしてもかなりふっかけるだろうな。
ほら、どうすんの君。
いつまでぐだぐだしてんの君。
……って、君って誰だよ。
僕だよ、知ってるよ。
「はぁー……」
行く?
行っちゃう?
メンドくさいよ。
知ってる。
「ああっ、もうっ」
ずっと考えてばかりで、脳がふやけそうだった。
もういい、どうにでもなれ。
悩んでいた頭の中身を出してココ谷のどっかに適当に投げ捨てて、おばさん達の後を追う事にした。
岩陰に隠れて見えなかった、秘密の場所へ繋がる扉が目の前に見えた。
そこに手をかけて、押して開くと、手の甲に雫が。
空を見上げると、いつのまにかどんよりとした雲があった。
重く垂れた雲からは、ぽつぽつと断続的に水の雫が投下。
雨が降って来てる。
雨のイベントって明日じゃなかったのかよ。
でも、おっさんは今日降るって言ってたな。
ま、どっちでもいいか。
天気が現実の空模様を忠実に再現してるんなら、予報とか予定が外れることだってあるだろうし。
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