第4章

第31話 それから引きこもりたい病になった



 ……あれは何年前の事だったかな。


 昔々の話なんて語る必要なんてないんだろうけどさ。

 人間ってほら、馬鹿だし。

 定期的に思い出さないと、忘れちゃいそうじゃん?


 オンラインゲームにはまって、まだそんなに時間が経ってない頃。

 僕は、見ず知らずの大勢の誰かと繋がれるこの環境が好きだった。


 オンラインゲームの話をよく友達に色々話したり、妹にも聞かせていた。


 でも、あの出来事があったから。


 僕は、人と繋がれる事にメリットを見いだせなくなってしまった。


 現実と違う環境を楽しむのが、仮想世界の素晴らしい所だというのは評価している。

 でも、さ。

 人間となんて、現実世界でも繋がれるからさ。


 だから、こんな所まで来てまで、不必要に群れる必要ないじゃん?


 人間なんて、大抵が嘘つきだ。

 正直者はみんな、馬鹿をみるだけ。


 あーあ、やになっちゃうよこんな現実。

 異世界にでも召喚されないかなぁ。


 ……なんて、たま思った事もあった。


 まさか、それに近い状況に、本当に陥るとは思わなかったけど。


 でも、そう思った事は、僕は後悔していない。

 

 人間に対して、そんな結論に至った事も。


 ……人間なんて碌な物じゃない。


 ……そもそも、本当の顔を突き合わせているわけでもないこの世界で、誰かを信じるてる奴の気が知れないよ。


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