我求不重力

僕はアステロイド


この周回軌道は君のもの


一体なんど回ったのか忘れてしまった


離れたい……君の重力から


燃えるヘールボップ彗星のように、僕を夜陰へ逃がしてほしい

そしたら果てない闇の中、僕は燃えながら往く

君の力の届かない彼方へと、放物線を描き、矢のように…

でも、いつか必ず戻ってくるから


僕が再び君の夜空に輝くまで

どうか辛抱して、僕を待っていてほしい


そしてそのときは必ず、君の引力で僕を捕まえてほしい

そしたら僕は君の周りをゆっくりと回るだろう

きっと


……


だから、どうか僕をつかまないで


君の重力は今の僕には重すぎる。


このままだと僕は君の上に墜落してしまいそうだ


このままでは、僕が君を破壊してしまう


だから、そうなる前に決断するんだ


燃えるヘールボップ彗星のように、僕を夜陰へ逃がしてほしい

そしたら果てない闇の中、僕は燃えながら往く

君の力の届かない彼方へと、放物線を描き、矢のように…


僕が再び君の夜空に輝くまで

どうか辛抱して、僕を待っていてほしい


そしたら僕は君の周りをゆっくりと回るだろう

きっと


……



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