話題になっているさまざまな要素をこれでもかと盛り込んで、ひとつの物語にまとめあげ、ハラハラさせ、笑わせ、泣かせ、ほっとさせる。サイバーをテーマにした見事なエンタテイメントでした。
欲を言うなら技術的な面と近未来のイメージのブラッシュアップでしょうか。
技術的な面というのは正確で詳細な技術の説明を加えるという意味ではなく、技術的な説明を割愛しながらも専門家が見ても違和感を覚えない内容にすることです。むしろ記述は少ない方が読みやすいので。
近未来のイメージというのはここで描かれているのは少し前の延長線上の近未来なので、実際に2036年(でしたっけ?)になっても陳腐化しない近未来像をイメージするとよいという意味です。過去の延長線上に未来はないので予想は難しいように思えますが、論理的な帰結としても未来は常にぶれません。論理的な帰結としての近未来を考えましょう。
ただすでにこれだけおもしろいと、これ以上望む必要はないのかなという気もします。このままで細かい箇所に手を入れた方が作品としては完成度高まるかもしれません。