カキタバル②

 夢つっても、将来の夢とか、夢と希望、みたいな類ではないぜ?寝るときに見るアレだな。そんなのわかってる?あんたがよく話の腰を折るような、相槌というか返事をするからだろ!

 

 ん?話を戻せって?わーったわーったよ。

 

 夢の内容の話なんだがな、夢を見るというか、夢に入ったような感じがするんだよ。 夢に落ちてすぐに分かったんだよ。これ夢だなって。


 夢の中の光景もまた現実離れしてるのはあるかもな。あるのは、ビルやアスファルトなんかじゃなくて、木々と草。こういうのを樹海っていうんかな?

都会に住んでるやつからしたら経験したことない光景だと思うぞ。

かくいう俺もその中の一人だ。なに?森ぐらい入ったことあるだろって?知らねえよ、お前の価値観なんて。

 

 そして、近くの木にあの気味悪い時計が、かけてあったんだ。いくら気味の悪い時計とは言えども、知ってるものがそばにあるってのはすごく安心するもんだ。

 とはいえど、クソ親父の形見に安心を感じてることに不快感を感じた俺はぶっ壊してやりてえなと思ったわけだ。まあ、夢の中だから何したって許される。まあ、展開は読めるだろ?

 思いっきりぶっ壊したら目が覚めたわけだ。


 この時点でもキモイ夢なんだがな、この程度なら俺だってここには来ない。

そうそう、そうなんだよ!よくわかったな!てか、人の話の落ちを先に言うなよな。

 あんたの言ったとおりだよ。そしてこれが現物だよ。



 カキタバルはそういうと、キャリーケースからたたきつけられて壊されたような時計を取り出した。

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ハマダイ @hama_arum

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