第12話
森村 茜は第一発見者の一人だった。
茜は、事件の前日より大学教授である父親の講演会に同行し
名古屋にいた。
事件当日午後6時30頃、北川に電話。
その際、風邪気味の為、宿直当番を交代してもらい自宅で
休んでいる旨を告げられる。
心配になった茜は、その後午後8時から9時の間に数回電話したが
全て留守電となってしまった。
胸騒ぎを覚え、午後9時52分発東京行きののぞみに乗り帰京。
東京駅着は午後11時32分。
そこからタクシーで北川のアパートまで行き、到着したのは午前0時過ぎ。
合鍵で部屋に入る。
室内の電気はついたまま、布団には横になった形跡が無かった。
そこで2時間程帰りを待ったが、相変わらず連絡が取れず
夜間病院等に電話をして緊急搬送者がいなかったか確認。
午前4時、知人・友人宅へ電話。
午前4時半。聖ニコル女学園理事長宅へ電話。
学校で落ち合う約束をし、駐車場に止めてあった北川の車で学校へ向かう。
午前5時学校着。理事長、教頭、学年主任の3名と共に校内を捜索。
午前5時半、美術室で倒れてた北川を発見。警察へ通報
そして最後のファイルは、メモ帳のコピーだった。
「北川 戸嶋医院 イソミタール処方」「北川・仲村大学同級生」
「仲村のジャンパーに被害者血液付着 科捜研」
「午後8時頃学園前駅で北川目撃 駅員証言」
まるで暗号の様な文字が並べられていた―――――
4ページに渡る資料を読み終えると、急に脱力感に襲われた。
自分でも気づかないうちに、かなり緊張していたみたい。
すぐに真柴に電話をしたが留守電になってしまった。
これって本物なのかなぁ?
いたずらにしては手が込みすぎているけど…
とりあえず、返信をしようとして困ってしまった。
こんな怪しげなメールにお礼をするのは嫌だし「電話ください」じゃ、
片想い中の少女みたい!
結局何も打てずにPCの電源を切った。
あー、気になって眠れない!と思いつつ目を閉じると、今更ながら
酔いが回ってきたみたい…
あたしは深い眠りの中に引きずりこまれていった。
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