学院長の器の小ささが分かります。こんなのが学院長やってて大丈夫なのかと思うくらいです。
荒れてしまうナタニエル君が痛々しい。
元凶であるラングロワを恨みますよ。でも中途半端で完全なワルにはなりきれないと言うのは、やはり彼の根っこが優しく正しい人だから。今は辛くても、きっと自分と向き合える子だって信じています。
作者からの返信
学院長、副院長のことはそんなに意識せずに、まあこんなものだろうなんて書いたのですが……ここまで反響があろうとは。アントワーヌは就職当時から頭の固い貴族連中に囲まれて苦労していました。だから彼は慣れていて、そんなレベルの低い横柄な奴らはあまり相手にしないようにしています。まだ少年のナタニエル君にとっては許せないことなのでしょう。
ナタニエル君も今は荒れていますが本当は良い子なので、この大嵐が過ぎるときっと彼も落ち着くことでしょう。とにかく、大人になるということは痛みを伴うものですね。
スポーツや剣術、または芸術に打ち込んでいたら、と思いました。
ナタニエルさんは胎児と話ができたり、記憶力がよかったりで、同年代の子供より多くの情報に囲まれていると思います。
しかし、その情報を分析し、取捨選択し、自分に活かす術(すべ)をまだ知らないように感じました。
スポーツ・剣術や芸術に打ち込めば、知らないうちに不要な情報は削(そ)ぎ落されますし、情報に悩んでいる暇もないのです。
(ネットからの情報に埋もれ、取捨選択ができず、変なものを信じてしまう現代の若者と、同じではありませんが、なにか通じるものがあると思ってしまいました)
父親や出自という基本的な情報も、紙のように薄く軽く感じられ重荷にならなかったことでしょう。
保健の先生あたりに勧めてもらいたかったです。
家庭内で孤立感を味わうエピソードは、私も子供の頃に経験があり、その時の気持ちを懐かしく思い出しました。
思った以上に多くの人が、経験しているのかも知れないと、気付かされました。
そして、うっぷんをうまく発散できなかったナタニエルさんは、家出に走ってしまったようです。
でも、王都内ではすぐに見つかってしまう。
クロードさんやアナさんが魔力探知で見つけてしまうとか、この作品ならではで面白かったです。
さあ、そんな魔力探知が効かない所で、いったい何が彼を待っているのでしょうか?
懐かしい思春期の気持ちを思い出しながら、期待ですね。
作者からの返信
ナタニエル君は魔術が使えるのでスポーツはあまり得意でもないようです。打ち込んでいるのはやはり魔術でしょうか。
まあ十代のこの歳ですとやはり周りの雑音がとても気になるのですよね。少し年を取るとほんの些細なことに思えるのですが、悩める十代の少年には重要なことです。そうして苦しむナタニエル君を書くのは私も少々辛かったです。
尊敬する育ての父アントワーヌ君待望の血の繋がった子供は二人共女の子ということも彼の孤立感を益々高めたのかもしれませんね。優しくされればされるほどひねくれてしまうという気持ちも分かります。
そして思わず家出をしてしまう。どこまでワルになってもいいのか、アントワーヌ君の限界を試すような行為に走ります。魔法を自在に使えますから今回は思い切って瞬間移動などを使って遠くへ行きます。さて、今度はどうやって連れ戻されるのでしょうか?