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2020年2月25日 08:23
なるほど、アメリさんのお母さんとアントワーヌさん、アントワーヌさんがもっと純朴でしたら危なかったことでしょう。 同年代の若者以上に人生経験を重ねたような彼ですから、アメリさんのお母さんがどれほど美しく妖艶であったとしても、心を動かされることはないでしょう。 それに、フロレンスさんがいます。きっと彼女以外には女性を感じないのかも知れませんね。 今回ハッとしたのは、『アントワーヌは自分の秘密を全部知っているのだ、とアナはつくづく思い知った』でした。 アントワーヌさんがアナさんの秘密を知っているのは重々承知していたのですが、『思い知った』というところに、私はハッとしたのでした。 アントワーヌさんが非常に大きな存在に見えて、底知れぬ不気味さを感じました。 確かに人生の秘密を知っている人には、只ならぬものを感じることがあるかも知れません。 そんな、一抹の不安がよぎる文章でした。 でも、ここでは、そんな重たいものではないと思います。こちらの考え過ぎでしょう……。 小切手の件(くだり)、前作でもこのシーンがあったかどうか、残念ながら私は憶えておりません。 額は大したことがないとアントワーヌさんが言っているので、リュックさんは小切手そのものに何かを感じたのでしょう。 アメリさんが言うように、手切れ金を彷彿(ほうふつ)とさせたのかも知れませんね。 リュックさんの「弱点見たり」という気がして、何か人間らしくといいますか、可愛らしく思いました。読み手はキャラの弱点というのものには親しみが湧くものなのです。 そのような天国のような結婚式の次のシーンが、地獄のような牢獄のシーンでした。さらに地下とあり、ジメジメとした不快感を読み手に与えます。 この対照的な組み合わせが絶妙でした。 ドウジュさんが現れるとは思ってもみませんでした。 牢獄に入っているのだから、姿を見せても問題ないと思ったのでしょう。 客観視できるキャラがいると、よりランジェリーさんの哀れさが引き立つと思いました。 そして、ドウジュさんにとって、牢獄に立ち寄ることは、予定通りの行動だったようです。だって、あらかじめ、焼き菓子の粉を用意していたのですから。 どのくらいの症状なのかを確認しようとしたのだと思いました。 オージェさんの証言ができる状態なのか? ストーリーにおいて、そんな指針になったと思いました。(うーん、読み過ぎかも……) さあ、どのように物語が閉じられていくのでしょうか?
作者からの返信
ここでアメリママを登場させたのは、ただ本日の主役であるアメリをアントワーヌとアナの居る場所に呼び寄せて三人で会話をさせたかったという理由だけです。だから取ってつけたように彼女がいきなり出てくるのです。フランソワーズさんにしても、アントワーヌ君のことは冗談です。二番目の夫との間にできた娘とくっつけようとするその気持ちのほうが大きいでしょう。とにかく、アントワーヌ君はフロレンス一筋ですから。彼女がランジェリーと結婚していた間も他の女性と付き合うこともなく、ただひたすらランジェリーを陥れる策を練りながら待っていましたものね。アナも自らアントワーヌ君に確認したわけではないのですが、自分とニッキーの関係や、ジェレミーとそれでこじれていたことをそれとなく彼が知っているとは分かっているようです。まあもう過去のことですから、今更蒸し返さなくてもいいのです。特に不安になることはありませんが、この後の番外編でこの秘密を握っているアントワーヌ君とジェレミーの間でひと悶着起こることになります。別に深刻な事態には発展しません。このくらいならネタバレでもなんでもないので言ってもいいでしょう。第二作「貴方の隣」でリュックがアメリを迎えに行って大団円を迎えた時にアントワーヌは一人で『僕からの結婚祝いは王都銀行の小切手にしよう』と考えていました。それから来ているのですね。リュック自身はまだその王都銀行の小切手事件に少々のトラウマがあるようで、アントワーヌ君からのご祝儀をもらったときにギクリとしたことでしょう。さて、この回は区切りのいいところで終われなかったので、対照的な牢獄のシーンが入っています。落ちるところまで落ちてしまったランジェリーです。アントワーヌ君に命じられてかどうか、ドウジュが彼の様子を確認しに来ています。ランジェリーももう少しまともな生き方ができたのではないか、と思うとなんだか物悲しいですね。けれど私はこの場面を書くことは結構楽しんでおりました。晴れて幸せ一杯、日の当たる場所で生き生きとしている主人公二人と彼らを苦しめてきたランジェリーがここまで落ちぶれてしまっているところをドウジュが呆れ果てた様子で眺めています。因果応報と言いますか、人間は真っ当に生きてなんぼだと思い知りますねぇ。さて、本編もそろそろ締めに入っております。最後までお楽しみいただけると幸いです。
2018年8月18日 20:46
アメリママ、相変わらずお元気なようで何よりです。一方、すっかり変わり果てて元気でないのがラングロワ。これはこれで何よりですなあ。
我が道を行くアメリママは健在です、もちろん。何となく悪戯心で特別出演させてみました。ラングロワ氏の様子を見に行ったドウジュはよっぽど手を下してやろうかとも思っていたようです。アントワーヌにそれだけは止められているのと、放っておいてももう長くなさそうだというので彼は焼き菓子ミックス粉を差し入れただけでそのまま牢を後にしましたぁ。
なるほど、アメリさんのお母さんとアントワーヌさん、アントワーヌさんがもっと純朴でしたら危なかったことでしょう。
同年代の若者以上に人生経験を重ねたような彼ですから、アメリさんのお母さんがどれほど美しく妖艶であったとしても、心を動かされることはないでしょう。
それに、フロレンスさんがいます。きっと彼女以外には女性を感じないのかも知れませんね。
今回ハッとしたのは、『アントワーヌは自分の秘密を全部知っているのだ、とアナはつくづく思い知った』でした。
アントワーヌさんがアナさんの秘密を知っているのは重々承知していたのですが、『思い知った』というところに、私はハッとしたのでした。
アントワーヌさんが非常に大きな存在に見えて、底知れぬ不気味さを感じました。
確かに人生の秘密を知っている人には、只ならぬものを感じることがあるかも知れません。
そんな、一抹の不安がよぎる文章でした。
でも、ここでは、そんな重たいものではないと思います。こちらの考え過ぎでしょう……。
小切手の件(くだり)、前作でもこのシーンがあったかどうか、残念ながら私は憶えておりません。
額は大したことがないとアントワーヌさんが言っているので、リュックさんは小切手そのものに何かを感じたのでしょう。
アメリさんが言うように、手切れ金を彷彿(ほうふつ)とさせたのかも知れませんね。
リュックさんの「弱点見たり」という気がして、何か人間らしくといいますか、可愛らしく思いました。読み手はキャラの弱点というのものには親しみが湧くものなのです。
そのような天国のような結婚式の次のシーンが、地獄のような牢獄のシーンでした。さらに地下とあり、ジメジメとした不快感を読み手に与えます。
この対照的な組み合わせが絶妙でした。
ドウジュさんが現れるとは思ってもみませんでした。
牢獄に入っているのだから、姿を見せても問題ないと思ったのでしょう。
客観視できるキャラがいると、よりランジェリーさんの哀れさが引き立つと思いました。
そして、ドウジュさんにとって、牢獄に立ち寄ることは、予定通りの行動だったようです。だって、あらかじめ、焼き菓子の粉を用意していたのですから。
どのくらいの症状なのかを確認しようとしたのだと思いました。
オージェさんの証言ができる状態なのか? ストーリーにおいて、そんな指針になったと思いました。(うーん、読み過ぎかも……)
さあ、どのように物語が閉じられていくのでしょうか?
作者からの返信
ここでアメリママを登場させたのは、ただ本日の主役であるアメリをアントワーヌとアナの居る場所に呼び寄せて三人で会話をさせたかったという理由だけです。だから取ってつけたように彼女がいきなり出てくるのです。
フランソワーズさんにしても、アントワーヌ君のことは冗談です。二番目の夫との間にできた娘とくっつけようとするその気持ちのほうが大きいでしょう。
とにかく、アントワーヌ君はフロレンス一筋ですから。彼女がランジェリーと結婚していた間も他の女性と付き合うこともなく、ただひたすらランジェリーを陥れる策を練りながら待っていましたものね。
アナも自らアントワーヌ君に確認したわけではないのですが、自分とニッキーの関係や、ジェレミーとそれでこじれていたことをそれとなく彼が知っているとは分かっているようです。まあもう過去のことですから、今更蒸し返さなくてもいいのです。
特に不安になることはありませんが、この後の番外編でこの秘密を握っているアントワーヌ君とジェレミーの間でひと悶着起こることになります。別に深刻な事態には発展しません。このくらいならネタバレでもなんでもないので言ってもいいでしょう。
第二作「貴方の隣」でリュックがアメリを迎えに行って大団円を迎えた時にアントワーヌは一人で『僕からの結婚祝いは王都銀行の小切手にしよう』と考えていました。それから来ているのですね。
リュック自身はまだその王都銀行の小切手事件に少々のトラウマがあるようで、アントワーヌ君からのご祝儀をもらったときにギクリとしたことでしょう。
さて、この回は区切りのいいところで終われなかったので、対照的な牢獄のシーンが入っています。落ちるところまで落ちてしまったランジェリーです。アントワーヌ君に命じられてかどうか、ドウジュが彼の様子を確認しに来ています。
ランジェリーももう少しまともな生き方ができたのではないか、と思うとなんだか物悲しいですね。けれど私はこの場面を書くことは結構楽しんでおりました。
晴れて幸せ一杯、日の当たる場所で生き生きとしている主人公二人と彼らを苦しめてきたランジェリーがここまで落ちぶれてしまっているところをドウジュが呆れ果てた様子で眺めています。因果応報と言いますか、人間は真っ当に生きてなんぼだと思い知りますねぇ。
さて、本編もそろそろ締めに入っております。最後までお楽しみいただけると幸いです。