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2019年12月16日 08:53
妹のために一国の国王を会議場へ送り込む。 王妃様はやりますね。 国王としても、告発の内容から、いやいや行くと言うわけでもなさそうでした。 家臣である貴族にもしっかりと目を光らせていると、統治者としての責任も感じたのかも知れません。 その国王に役所から持ち出していると証拠立てる封筒を開けさせるとか、この上ない証人となったことでしょう。 そして、一番に国王が書類に目を通しています。直前のすり替えも何も無いとの証拠となりました。 実にうまく、王妃様の思惑と証拠の信憑性がかみ合いました。 お預けとなっていた公的書類が改竄(かいざん)されていると分かった理由は、魔法による書類の加工でした。 そもそも墨などで汚れるはずがないのでした。 また、ランジェリーさんが本物の書類を処分できずに、自宅の金庫に保管しなければならなかった理由も、魔法による加工のためでした。 破ることも燃やすこともできなかったようです。なぜ証拠隠滅を図らなかったのか疑問でしたが、その理由がハッキリしました。 これは、うまいです! 突拍子もない理由でしたら、「なんだよ、それ」とか、思ったと思いますが、公的書類に魔法による加工を施すことは道理にかなっていますし、この物語には魔法は不可欠ですので、まるで違和感がありません。 しかも、多くの読み手は気付いていなかった理由と思われます。 だから、うまい! と思いました。 いい所に目を付けたものだと、感心いたしました。 これは、本作における一番の仕掛けだった思います。 まことに、お見事でした。 さらに、当時の政治情勢からも、くすねるのはたやすかったという背景もありました。読み手が抱きそうな疑惑の芽を潰(つぶ)しています。 きちんと、目が届いていました。さすがです。 さあ、これから、どうやってランジェリーさんを畳み掛けていくのでしょうか? と、言うところに、これからの興味が移ってまいります。 ただ、『夫人は自分の夫を告発するのか?』と言うところには、ちょっとドキッとしました。(アントワーヌさんには予想の内と思います) フロレンスさんに変な災いが降りかからないといいのですが……。
作者からの返信
王妃さまにしてみれば私事でしょうが、国王陛下にしてみれば臣下が犯罪を働いている疑惑があるのですから立派に国政の一環ですよね。それに、時々王妃さまを訪ねてくるフロレンスやナタニエル君のことは国王も可愛がっているようなのです。 貴族院の十数名の目があるところでの告発なので証人は沢山いますが、やはり国王陛下が居ると居ないとでは全然違いますね。貴族院のオッサンたちも黙らせることが出来るのですから。とにかく偽造書類であることは認められました。 クリストフ君が墨をこぼして最初は慌てていたのに、急にこれは偽造だ、と言い出した理由はこれでした。やっと種明かしができてホッとしております。 私もランジェリーの偽装工作に証拠隠蔽のからくりなどを考えるのに、結構な時間を要しました。こじつけや不自然な設定やツッコミどころ満載の物語だったら書かない方がましと思う性分なのです。 うまい仕掛けと言って下さってありがとうございます。苦労が報われて嬉しい限りです。 ランジェリーが国庫に勤めていた時期には国の情勢が不安定で、ヴァリエールの戦も起こりました。この戦は第一作でビアンカの実家の近くで起こったもので、その時クロードも戦を鎮めるために派遣されて行きました。彼の魔力を遠くから少女時代のビアンカが感じ取り将来王都に行く決心をしたという第一作ではなくてはならないイベントでした。この第四作でもランジェリーがどさくさに紛れて国家予算を横領するためには必要な?イベントです。 さて、ランジェリーの犯罪疑惑に貴族院&国王はどう動くのでしょうか? フロレンスとアナも本物の書類がラングロワ家に保管されていたという証言をしております。もうアントワーヌ君も皆後戻りはできません。覚悟の上ですね。フロレンスは無事で居られるのでしょうか?
2018年8月5日 22:48
ここぞという時の王妃様。 やっぱり、彼女はやるときはやりますね。
ここぞという時の陛下、ではなく流石王妃さま!となるところにこの夫婦の力関係が表れています……
2018年8月5日 20:30
さすがシリーズ最終作、ようやく国王様の威厳あるお姿を見れましたね! これからラングロワはどう追い詰められていくのか……。
国王陛下も実はイケメンで威厳もあるのです。シリーズ中ずっと影が薄かったですけれどもね。さて、ラングロワ氏は大変なことになりそうですよ。勧善懲悪バンザーイ!
2018年8月5日 20:27
自分も今まで国王陛下は、王妃様の尻に敷かれている印象しかありませんでした。だけど、こんなに威厳のある方だったのですね。陛下の登場は、事流れ主義の貴族院の人達もビックリしたでしょうね。ここが山場なのですから、コネはこういう時に使わないといけませんね。
陛下、この時ばかりは独裁者になってラングロワが再起不可能になるくらい叩きのめして下さい。きっと王妃さまにもそう言われてこの場に送り込まれているはずです……というか、ラングロワに大したお咎めなしで議会を終了させてしまったらもう陛下、王妃さまの部屋の敷居を跨がせてもらえないでしょう……
妹のために一国の国王を会議場へ送り込む。
王妃様はやりますね。
国王としても、告発の内容から、いやいや行くと言うわけでもなさそうでした。
家臣である貴族にもしっかりと目を光らせていると、統治者としての責任も感じたのかも知れません。
その国王に役所から持ち出していると証拠立てる封筒を開けさせるとか、この上ない証人となったことでしょう。
そして、一番に国王が書類に目を通しています。直前のすり替えも何も無いとの証拠となりました。
実にうまく、王妃様の思惑と証拠の信憑性がかみ合いました。
お預けとなっていた公的書類が改竄(かいざん)されていると分かった理由は、魔法による書類の加工でした。
そもそも墨などで汚れるはずがないのでした。
また、ランジェリーさんが本物の書類を処分できずに、自宅の金庫に保管しなければならなかった理由も、魔法による加工のためでした。
破ることも燃やすこともできなかったようです。なぜ証拠隠滅を図らなかったのか疑問でしたが、その理由がハッキリしました。
これは、うまいです!
突拍子もない理由でしたら、「なんだよ、それ」とか、思ったと思いますが、公的書類に魔法による加工を施すことは道理にかなっていますし、この物語には魔法は不可欠ですので、まるで違和感がありません。
しかも、多くの読み手は気付いていなかった理由と思われます。
だから、うまい! と思いました。
いい所に目を付けたものだと、感心いたしました。
これは、本作における一番の仕掛けだった思います。
まことに、お見事でした。
さらに、当時の政治情勢からも、くすねるのはたやすかったという背景もありました。読み手が抱きそうな疑惑の芽を潰(つぶ)しています。
きちんと、目が届いていました。さすがです。
さあ、これから、どうやってランジェリーさんを畳み掛けていくのでしょうか?
と、言うところに、これからの興味が移ってまいります。
ただ、『夫人は自分の夫を告発するのか?』と言うところには、ちょっとドキッとしました。(アントワーヌさんには予想の内と思います)
フロレンスさんに変な災いが降りかからないといいのですが……。
作者からの返信
王妃さまにしてみれば私事でしょうが、国王陛下にしてみれば臣下が犯罪を働いている疑惑があるのですから立派に国政の一環ですよね。それに、時々王妃さまを訪ねてくるフロレンスやナタニエル君のことは国王も可愛がっているようなのです。
貴族院の十数名の目があるところでの告発なので証人は沢山いますが、やはり国王陛下が居ると居ないとでは全然違いますね。貴族院のオッサンたちも黙らせることが出来るのですから。とにかく偽造書類であることは認められました。
クリストフ君が墨をこぼして最初は慌てていたのに、急にこれは偽造だ、と言い出した理由はこれでした。やっと種明かしができてホッとしております。
私もランジェリーの偽装工作に証拠隠蔽のからくりなどを考えるのに、結構な時間を要しました。こじつけや不自然な設定やツッコミどころ満載の物語だったら書かない方がましと思う性分なのです。
うまい仕掛けと言って下さってありがとうございます。苦労が報われて嬉しい限りです。
ランジェリーが国庫に勤めていた時期には国の情勢が不安定で、ヴァリエールの戦も起こりました。この戦は第一作でビアンカの実家の近くで起こったもので、その時クロードも戦を鎮めるために派遣されて行きました。彼の魔力を遠くから少女時代のビアンカが感じ取り将来王都に行く決心をしたという第一作ではなくてはならないイベントでした。この第四作でもランジェリーがどさくさに紛れて国家予算を横領するためには必要な?イベントです。
さて、ランジェリーの犯罪疑惑に貴族院&国王はどう動くのでしょうか?
フロレンスとアナも本物の書類がラングロワ家に保管されていたという証言をしております。もうアントワーヌ君も皆後戻りはできません。覚悟の上ですね。フロレンスは無事で居られるのでしょうか?