第15話 ソラへ
きゅいいいいいいいん
辺りに異質な音が響く。湾曲したフォルムが風と走る。操縦する男は、とある男から戦争の話を聞き駆けつけた。ある旅人の話も。
「あの馬鹿弟子、また早まったのか?」
煙の上がった所で目的の人物を見つけ降り立つ。軽くパニックになっている他の兵士が寄りつけぬよう機械が羽ばたき続ける。
「ウミ」
「はかせ?やっと僕を迎えに来てくれたんですね」
「あほう、わしもお前も死んでない」
耳に入っていないのかふらっと、縦穴になったところのぞき込む。岩が散らばるだけだ。
「なんで死んだのにソラに会えないんだ?」
「しっかりせい!!」
シンプルなげんこつが頭にヒットする。
「僕が殺したんだ!親父も国の人も、博士も、ソラも!!」
「過ぎたことだ、決して消えぬがな。それにわしもソラとやらも生きている」
指の先には少年がケホケホと咳き込んで出てきていた。ちょうどその時洞窟の奥から走る音と大声が響いて来た。
ドドドド!!
「ソラー!!!?」
「え?おじじ!?」
「痛むか?」
「ちょっとは痛むけど、あ!ウミ!」
笑いながら手を振るソラ。
「…ソラ!!」
「さっさと行くぞ」
遅れて来た10名ほどの者たちと船に乗り込む。
「行くってどこに」
「空じゃ」
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