第16話 ウミへ

「よう」


「遅いんじゃ、役立たずな筋肉が」


「遅くなりやがって、その頭は飾りか」



 博士とおじじの喧嘩がこの船の日常だ。船はウミの博士のものでこれで死刑場から脱出した。他国で崇められたりしながらウミを探すうちおじじの噂を聞いた。国王に逆らった呪われた王子。おじじは洞窟を広げ、博士と小型の機械で連絡を取り合っていた。



「俺とこいつらが残った罪人だ。あとは病人だけ」


「みんな死ぬのか?」


「あいつら感染だ呪いだと騒ぐからうかつには手を出さない。俺らがいないことにもまだ気づいてないぞ」



 おじじが笑うが博士は怒る。



「わしのおかげだろ!感謝しろ」


「けっ」


「博士にこんな友人がいたとは思わなかったです」


「「違う」」



 2人は声をそろえて怒鳴った。



「「くされ縁だ!!」」


「くされ縁って何?」


「聞くな」


「なんでよおじじ、教えろよ」


「ソラあっちいこう」



 ウミと別の部屋へ。



「なぜか離れようとしても縁のきれない仲なんだ」


「すごいな」


「そうかな」


「そうだよ。また会えるんだから」




 〇〇〇〇〇〇




「みんな飯だぞー!」



 この船は仮住まいを探して国を回っている。今回は海だ、早く見たい!まあ2人が喧嘩してまた進路変わるかもしれないけど。



「起きろ!!」



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