第14話 願い(お題フリー)
嘘だ。きっと未来を過去を変えようとする。タイムマシンなんてものできっこないんだ。雪が降ったら寒くなったり、子どもが大人になるように、あたりまえに過ぎていく。だからどうにかなることじゃない。どうしようもできないことは世界にはどうしようもないくらい多い。
「ウミ?」
「何?」
「そこにいるの?」
「偶然だね」
「奇跡だ」
「…偶然だよ」
ふと目を開けて驚いた。目を閉じていたのか。それは僕の目の前にあった。思わず笑ってしまう。僕は岩から離れ、反対に岩に寄って行く彼。
「誰と話している?その岩はなんだ?」
「声がするんです。僕の気のせいだと思ったけど、そんなことないんですね?」
「ふざけるな!ヘラヘラ笑って、うさんくさいと思ってたんだよ、最初から」
僕のおかげでだいぶ軽量化したそれを、僕に向かって遠慮なく撃つ。試し撃ちはもうしたらしい。しかし撃たれたのは持っていた彼だけ。
「な!んだ!?」
そして下にそれを落とす。
ガチャリ
ドーンッ!!
僕も彼もたぶんソラも深い海に意識が沈む。僕はこれであの壁を壊すつもりだった。全部の兵士は到底殺せない。だからせめて混乱に乗じて生き延びてほしかった、僕のように。僕はソラに生きていてほしい。
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