第13話 ペッパー ライン エンターテイナー(十二題噺)

 ステープラーって何?

 ねえウミ?



 まるで深海

 真っ暗で光が届かない



 ソラの声だけ




 〇〇〇〇〇〇



「おっとそのラインを超えてみな!あんたでも容赦しない」


「はっはー!」


「こっちに来たら撃つ」



 コメディ映画。エンターテイナーがふざけてギリギリまで攻める。そこでも武器のレプリカが使われる。何かを守るために使う?それだけじゃない。


 僕の親父は表では英雄、裏ではレッドペッパー、赤鬼とまで呼ばれていた。弱いものを狩る場所、それが戦場だと言った。きっとその通りなんだろう。居場所を求め彷徨う彼らはあっという間に狩られる。まるでいらないもののように。



「お前も俺みたいになるんだぞ」



 これが親父の口癖だった。紋章を見るのも英雄話を聞くのも、父親のようにと言われるのも嫌だ。技術者として博士の弟子になれた時は本当にうれしかった。博士は最後まで国総出の武器製造強化に反対し、僕の味方でいてくれた。しかし親父に敵わず、結果僕はあの武器を作って殺した。シェルターもタイムマシンもあと少しだったのだ。僕のせいだ。博士は僕を恨んだまま死んだのだろう。このままソラも僕を恨んだまま死ぬのだろう。


 だけど多分願いを叶える妖精がいても

 きっと同じことをする

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