第8話 タイムマシン シェルター 博士(文同じ)

「帰るところがあることはすごいことなんだよ」



 僕はソラに言った。




 〇〇〇〇〇〇




「帰りたいな」



 僕のふるさとは機械だらけ。国を挙げて戦争とタイムマシン作りに夢中だった。博士達はこぞって研究を重ね、時間の波に耐えうるシェルターやロケット、たくさんの武器を作る。僕は博士の助手として物づくりを仕事にしていた。ソラの親父さんと同じようで違う。僕は犯罪者だ。国家反逆罪。戦争で使う武器に欠陥を作った。僕はたくさん国の人を殺した。国のために戦う人たち、敵と呼ばれる人たち、何の罪のない人たちを殺した。武器を使おうとするやつは死ねばいいと思ったからだ。今はちゃんと分かっている。


 僕はもうそこには帰れない。博士は自分のせいだと言って死刑になった。僕は牢屋で終身刑。博士のタイムマシンの一つが暴れて牢屋は壊れた。みんな逃げて僕も逃げて、そうしていろんな国をさまよった。物の修理をしたり僕ができることをしながら食いつないで旅した。この手で。



「帰りたいなら帰んなよ、おじちゃん」



 僕帰りたいなんて言ったかな。ここはソラの国と戦っている敵国の宿屋。喋ったのはソラと同じくらいの歳の女の子。



「帰るところがあることはすごいことなんだよ」

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