8月 ②

目を覚ますと、空は東からすでに明るくなり始めていた。

夜中の1時過ぎまで騒いでいたのは覚えているが、その後いつのまにか寝てしまったらしい。

響は体育座りの体制、ハルは大の字になって同じく眠ってしまったようだ。

少し迷ってから2人を起こすことにした、今から後片付けをして、お昼前には家に着いておきたいからだ。

響はすぐに立ち上がり、テキパキとごみ拾いを始めたが、ハルは目覚めが悪いらしく、半開きの目で四つん這いのまま動く様子がない。

それでも何とか3人で片付けを終えて、近くの自動販売機で買った飲み物を朝食代わりに立ったまま飲み干した。


駐輪場へと戻る道で、ごみ袋を振り回しながら響が閉会の言葉を宣言した。

「諸君、本日の『計画』は無事終了したようだな」

「帰るまでが『計画』だろう」

「あ、そうだな。じゃあ今のなし」

「でも、楽しかったね。こんなことするの新鮮だったし」

「そこでだ。この『計画』今回で終わらせるべきか?いや、答えは否だ」

「第2回もしようってことだね」

「そういうこと。どうだ2人とも」

その提案に僕とハルが賛成しない理由はなかった。


帰り道、眠気が残りつつも運転に集中し、僕は昨日の晩のことを思い出していた。

ついさっきのことなのだが、それはまさに夢のようなひと時だった。

こんな楽しい時間があと何回あるかは分からない、だから、僕は昨日のことを忘れないでおこうと自分自身に誓った。

ちょうどそのとき、衝突音を合図に世界がスローモーションになった。


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