第7話

成田ーアムステルダム間、6000マイル。

ジェットストリームの心地よさ。


まきちゃんを想い、自然とペンが動く。

詩を書き留める。



ー 君のままで ー


穏やかな君


君に会えて本当によかった


君で詩集が一冊書ける



その詩集が完成したなら


欧州旅行へ連れていくよ


大した準備はいらないよ


少しの英語とサプリがあれば



博物館や美術館、自然たちには会いにいくけど


騒がし街の観光しない



湖水地方やフィヨルドは


君のこころを澄ませるだろう



ピカソやシャガールたちの絵は


君の脳裏に刻まれるだろう



教会の壁の天使の姿は


君のその胸動かすだろう



食事と掃除は僕に任せて


君は洗濯だけでいい


乾燥機付きの洗濯機が


勝手に洗濯済ますから



君の好きな食べ物は


どら焼きだけしか知らないけれど


互いに口に合うものならば


なんでも静かに食べればいい



しゃれた会話も何もいらない


そばに君がいればいい



君が愛してゆくものは


僕も同じに愛してゆく


僕の愛してゆくものに


君 首かしげ不思議顔



その瞬間の君がいい



時間よ止まれ


君が 君であるために



ジントニックを飲み終える。


グラスを差し出す。


「Same again, please.」

(もう一杯ください)


オランダ人CAが、優しく微笑む。

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