7月1日に見た夢
もっといろいろストーリーがあったはずなのだけど、
覚えてる部分だけ。
親戚の集まり。
小さい居間に、普段はいない大人数が集まって、
何やらモメている風。
高校生の私は、大人たちの言い合いに辟易して、
居間を出る。
すると、そこにはいとこの女の子。
まだ4、5歳だ。私と話は合わない。
「あれ?**ちゃん、いつものお人形は?」
その子は気に入ってる人形がある。
横に倒すと目が閉じる、ずいぶん古い人形だ。
名前までつけて、遊んでいるのをよく見る。
使い込まれただけでなく、おさがりなのではと思うほど古く見えたので、
私は、それを少し気味悪く眺めていたりもした。
今は、流行りキャラクターなのか、
何の動物かわからないようなぬいぐるみで遊んでいる。
「あの子は、今はお二階にいるよ」
「ふーん」
別に、人形を見たかったわけではない。
二階には誰もいないはずだ。
スマホゲームでもしようかと思った。
階段を一段ずつ登っていく。
最後の段を登り終えようとした時、
「バサバサッ」
部屋の中から、小さな音が聞こえた。
誰かいるのかな?
二階のその部屋には、いとこの女の子の家族が泊まっている。
荷物でも取りに来た誰かがいるのだろう、と思った。
ガチャっとドアを開ける。
誰もいなかった。
だが。
ホコリが舞っていて、さっきまで物が動いていたのだとわかる。
今まで誰もいなかったのなら、あるだろう静寂が、そこにはなかった。
・・・ん?
視界の片隅で、
まだ何か動いている。
ものすごい速さで、カバンの方へ駆けていく。
あの人形だ。
人形は、カバンの中に下半身をすべり込ませると
横たわり、目を閉じてしまった。
今見た出来事が信じられず、
恐る恐るカバンへと近づいてみる。
一歩踏み出すごとに、とても勇気が必要だった。
誰もいないのに、なぜ足音を忍ばせなければならない。
カバンの横に立って、上から見下ろす。
人形の手が届かないくらいに、少し距離を置いた。
人形は横になっていて、目を閉じている。
さっきまで動いていた。コレが。
気のせいなんかではない。
「あーあ」
私が、必死に築いた静寂を打ち破る声が響く。
条件反射で振り返った。
「だから『おとなしくしててね』って言ったのに」
いとこは、無邪気に遊んでいたように見えた時とは、
別人に見えた。
夢マボロシ あかいし @yuuissy
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