儚く揺れる今日

 世界は、どう見えてるかなんて、もう考える歳じゃないのかもしれない。


 見えてる世界をそのまま受け止めて、そのできる範囲で、生きていく。


 今なんて無難とか、普通とか、そういう生き方さえ難しい時代なんだぜ?


 だったらさ、そろそろそうなるべきなんじゃないか。夢なんて見ないでさ。


 って、今日も感情は儚く揺れる。


 僕らは大人になっていくにつれ、疲れていく。そして疲れてるときって、何もしたくなくなるだろう? それがずっと続いてくんだよ。


 嫌だなぁって思ったって、それは目の前に事実のように居座っているのだから、見ないふりはできないだろう。


 もう、夢物語なんて語らず。

 もう、人生に可能性なんか見ないで。

 もう、新しいことになんかチャレンジしないで。


 そんな選択肢が浮かび上がるたび、無理やり跳ね除ける。


 どっちが馬鹿らしいか、なんて。

 分かるさ。

 人生なんだぜ?

 なんで諦めていかなくちゃいけないんだ。


 儚く揺れそうになるけど、今日も僕は世界の見えない場所を想像する。


 自分が作り上げられそうな、ものをいつでもポッケに持ち歩いておく。


 それはどんな可能性も秘めている。

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