もう一歩

僕はちょっとだけ大人になったように思える。

ここに詩を書くのは久しぶりだ。

夜、街灯に照らされた道を歩くと、それがまるでぼんやりと曖昧な点から、自らがこれから歩む人生と似たように感じてしまった。


人間、いくら美化しても、醜いところは醜いし、どうしようもないところはどうしようもない。

僕もかつて、「未熟さ」なんて無難な言葉で語るのもなんだが、自分の足りなさのせいで誰かの期待を裏切ってしまったことがある。

僕は自分が嫌いであるのだけれど、好きになれるように努力してきた。これからも、もう一歩、もう一歩、少しずつだけど好きになっていこうと思う。

ただ、それでも、反省すべし過去はそこに突っ立っている。

それを思い出しては後悔し、違う選択があったのではないかと思ったりもするが、要するに僕が未熟で、ちょっと、相手の気持ちを考えきれなかった。

だというのに、嫌われたくない一心で、変に言葉を美化していた。目の前にいる自分は、全くそのままであるというのに。


だから、過去が怖かったりする。それが今の僕の行動原理を決めていると言っても過言じゃないほどに。でも、それでも、少しずつ、時は流れていくものだし、僕も大人になっていくものだ。過去を笑い話にして、済ませるよりは、だいぶマシに感じる。笑い話にしなくても、じゅうぶん向き合ってきた。これからも向き合っていく。しかし、そこに縛られるわけではなく。

もう一歩、この道の延長線でも、はたまた全く違う道の奥でも、とにかくもう一歩、前進していこうと思う。


僕も生きていく。

僕と過去出会った人もどこかで生きていく。

僕と未来出会う人は、今どこらへんにいるのだろう。

みんなみんなが、一歩進めるわけじゃないけど、そんなことを考えていた。

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