第13話 もしかして、初恋の人とか?

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 オレ、鈴木和哉は計画を実行に移そうとしていた。まず、犯行予告を作って警視庁に郵送することにした。なぜ、犯行予告なんてものを作ったのだろうか、世間を騒がせたかったのか、もしかしたら、心のどこかで誰かに止めてもらいたかったのかもしれない。

 その後、近くのホームセンターで、果物ナイフを購入した。犯行場所は秋葉原だ。その昔は家電製品やパソコンパーツを取り扱う地域だったそうだ。それが転じて、一昔前はオタクの街になり、最近は観光地化され、カップルや家族連れが集う平和な街になっていた。

 オレの復讐の場に相応しい。オレは人が多く集まる土日を狙うことにした。初めて訪れた秋葉原。オレは獲物を探すため散策した。ポケットにナイフを隠して……。

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 オレはウィズさんに代金を支払い、魔道具店を去ろうとした。オレをジッと見つめるウィズさんの視線に気づいた。


「どうしました? オレの顔に何か付いてますかね?」

「いえ、私の知り合いに良く似ていたものでつい見ていました」


 そういえば、オレの顔はアクアによって造り変えられてたんだっけ……。まだ鏡を見ていない。どんな顔してんだ、オレ。


「もしかして、初恋の人とか?」


 オレは冗談で言ってみた。


「いえ、それはないです。絶対に」


 なんか、メッチャ拒否られた。そしてメッチャ傷付いた。言わなきゃ良かった……。


「それでは気を付けてくださいね。暴れ牛はその名のとおり、本当に凶暴ですから」


 オレはウィズさんの気遣いの言葉に「はい」と答えてその場を後にした。


「さて、次は馬車の手配だな」


 オレはギルドに向けて歩き出した。ギルドではクエストに必要なものを貸してくれる。馬車も貸してくれるらしい。

 オレがギルドに向かって歩みを進めていると、後ろからズボンを引っ張られた。そこには小さな子供がいた。子供はオレと目が合うと、手を差し出してきた。物乞いか……。オレはそう思い、持っていたパンを一つ子供に上げようとした。その時だった。


「今だあああ!」


 後ろから誰かが腰にぶら下がっていた金の入った布袋を奪い取る。……子供だ……。


「待て、こらあああああ!」


 オレは必死で追いかける。いくら、敏捷性が最低クラスとはいえ、子供に負けるほどではない。オレは何とかとっ捕まえた。


「その袋を返せ!」

「イヤだ!」


 このクソガキめ、ぶん殴ってやろうか。そう思った時だった。


「すいません! その子達がなにかやったんでしょうか……?」

「ああ、やったさ。オレの金を盗みやがったん…………だ……」


 オレはちょっと言葉に詰まる。そこにいたのは広場で花鳥風月とかいう芸をしていた水色の髪の少女だった。

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