第9話 デス・フェロー

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 オレ、鈴木和哉は中学校に入りいじめに合うことになる。生まれもった醜悪な容姿、皆無な運動神経、頭も悪く、おまけに性格も暗いオレはいじめの格好の的であった。中学3年間は、自宅に帰れば伯母に嫌味を言われ、学校に行っても嫌がらせに合う。まさに地獄だ。

 オレは中学卒業と同時に家を出た。昼間はバイトをして、夜は定時の単位制高校に通った。人とは違う人生だが、いじめもなくなり、働きながらでも大学に行きたいという夢を持つようになっていた。良いことばかりじゃないが、この人生悪くはないと思うようになっていた。

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「これからどうしよう……」

 クリスと別れた後、オレは途方に暮れていた。今から何をすればいいのか……。取りあえず、オレはもう一度、自分のカードを確認した。相も変わらず、生命力と防御力はべらぼうに高く、知力はクソ女神レベル、後の能力は最低値に近い数値だった。習得可能スキルを見ると、それはそれはたくさんのスキルが習得可能になっていた。オレはスキルを順に見ていく。

「スティール、ヒール、バインド、ドレインタッチ、クリエイト・ウォーター、ターン・アンデッド……」

 どれも便利そうだが、オレには必要ないスキルばかりだ。自分を死に追いやる魔法はないのか……、と探した。


「こ、こ、これだああああああああああああ!」


 オレはついに見つけた。オレが求める魔法を!


「デス・フェロー……、効果、自分の命と引き換えに相手を道連れにする。最上位黒魔法……」


 これだ! この魔法さえ身に付ければ……、オレは死ぬことができるぞ!


「必要スキルポイントは……百万!?」


 スティールとかいうスキルの必要ポイントが1ポイント……。デス・フェローが百万ポイント……。絶望的数値差だ。容易に獲得できるとは思えん……。

 他に同じような死ぬことができるスキルがないか調べたが……、なかった! 


「とにかく、スキルポイントを貯めよう。全てはそこからだ」

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