友情結婚仲介所……小説で書いた事は既に現実だった
以前カクヨムで「虹の影は黒色」という偽装結婚仲介屋の女の話を書いた。様々な事情で通常の結婚の出来ない人に、偽装結婚の手引きをするヒロインの物語だ。
先日、「週刊新潮」を読んでいたら、既に「友情結婚」という名で、様々な形の結婚を紹介する相談所が実際存在している事を知った。
別に驚きはしない。私が思いつくようなことなど、とうに考えついて実行に移している人がいたって全然おかしくないのだ。
現実の「友情結婚相談所」のスタッフには「偽装結婚」などというマイナスイメージで描いた小説と一緒にするな! と怒られるかもしれない。確かに現実の友情結婚相談所と私の小説とはいくつか異なる点がある。我がヒロインは、外国人に日本のビザを取らせるための偽装結婚も紹介するような犯罪者だ。ヒロインがトラウマを抱えた半闇堕ちキャラなため、いわゆる世間で言う「契約結婚」「友情結婚」も「偽装結婚」というマイナスの言葉にくくって書いた。しかし彼女の紹介によって、従来の結婚観から解放され幸せをつかむ人間も出てくる。
現実の友情結婚相談所のホームページを見ると私が小説に書いたゲイやレズビアンの他に、恋愛したくないとかセックスしたくないという理由で入会する人もいるようだ。
そうだ! これなんだよ! 「セックスが嫌」。恐らくそれが理由で結婚に躊躇する人はたくさんたくさんいるはずだ。それなのに、ほとんどの人がそれを口に出来ないでいる。この辺をもうちょっと小説でも描くべきだった。なぜなら、世の中に確かにあるのにいまだ見えていないものを可視化することが、小説の大事な役目だと思うからだ。
自分がもっと若い頃に友情結婚相談所があれば、私は登録してたかもしれない。その代わり小説は書かなかっただろう。なぜなら、小説は私の決して手にいれられない願望や夢を描いたものだからだ。(だから私は小説に、現実ではあり得ない強い女性や素敵な男性を書く)。
そして、私が今肝に銘じていることがこれだ。
「小説のアイデアを思いついたらすぐ書け! どんな独創的なアイデアだと思っても、現実はアッという間に追いつき、追い越してしまう!」
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