岩山

幼い私は歳の近い兄より

歳の離れた姉にとても懐いていた

幼い私は体の割には体調を崩しがちで

歳の離れた姉は男顔負けの野生児だった

姉は何キロも先にある街へ行くために

平然と裏山を下りていた

裏山には地蔵や石仏があり

その先には鎖山があった

歳が離れているとはいえ

姉も幼い子供だと言うのに

平然とすごい勢いで鎖を辿って下りて行く

幼い私はその度に泣いていた

鎖が打ち込まれた岩山を

下りて行くのが恐ろしくて

でも姉に置いて行かれるのも嫌で

最後は泣きながら鎖を辿って下りて行く

そして最後は

疲れて動けなくなった私を

姉がおぶってくれた

幼い日の幸福な思い出

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