ジラーチ誕生日小説〈おまけ〉
「あ、そうそう。これ、プレゼント。」
私がジラーチに渡したのは、みんながそれぞれ作ったストラップが入ったプレゼントボックスだ。真っ白な箱に赤いリボンで丁寧に結んである。ちなみに、結んだのはお手伝い妖精だ。
「開けてもいい?」
「うん、良いよ。」
「ジラーチ、中に入ってるプレゼント、どれが誰からのか当ててみて。誰からかは、この名前入りの付箋を付けてね。」
突然、ジョセフがやってきて、誰のか当てるゲームを提案した。ちなみにさっき居なかったのは、彼ごのみの味にするために粉砂糖を取りに行っていたからだ。でも、なんだか楽しそう。
「う、うん、分かった。」
ジラーチがボックスを開けてまず初めに出てきたのは、フタバちゃんが作ったストラップだ。若葉色の新芽を模したものが付いている。
2番目に出てきたのは、私が作ったティーカップのストラップ。カップは白地にところどころ緑色が入っている。
3番目はフレッドの作ったヤマボウシのプラ板ストラップ。スケッチの時点では白黒だったけど、綺麗に着色されている。
4番目はジョセフの作ったチーズケーキのストラップ。正直、言われないとそれって分からない。
最後はハミルくんの作った花束のストラップだ。もし1000円で売っていたとしても買いたいと思ってしまうほど、丁寧で繊細に作られている。
私はみんなの作る姿を見ているから分かるけれど、初めて見たらどう思うのかしら。
ジラーチの出した結果は、
フタバちゃんが作った新芽がフレッド。
私が作ったティーカップが私。
フレッドの作ったヤマボウシのプラ板がジョセフ。
ジョセフが作ったチーズケーキがフタバちゃん。
ハミルくんが作った花束がハミルくん。
となった。
「想像と実際とが違いすぎねぇ?」
「まぁ、正解したのがヴェロニカとボクだけだしね。」
「私、フレッドと思われたこの新芽だし、」
フタバちゃんはフレッドと書かれた付箋を取り、ジョセフのから付箋をとって貼った。
「僕、プラ板じゃなくてチーズケーキ作ったし、」
ジョセフはフレッドのところから自分の名前の付箋をとって貼った。
「俺、ジョセフと間違われたプラ板だかんな。」
フレッドは机の端っこに貼られた自分の名前の付箋を紐に貼った。
「フレッドさんって、絵が上手なんですね!」
「そ、そうか?」
フレッドは照れてこめかみの辺りをかいた。照れてるなんてバレバレなのよ。
「私、ジョセフのにびっくりしたかな...チーズケーキ、だったんだね、コレ。」
「え?フタバ、なんだと思ってたの?」
「餅かと思ってた...。」
も、もち?聞いたことないわね、日本の伝統料理とかなのかしら。
「確か、新年に食べるんだっけ?」
「そうですそうです。校長先生、よくご存知で!」
「昔日本人の友達が、毎年毎年死者が出るのにみんな食い続ける悪魔の食べ物って脅かしてきて...。」
あ、悪魔の食べ物...。それは怖いわね。そんなものだと思ってたの!?
「ま、確かに歯が衰えた方とかは危ないですけどね。」
「フタバ、そんな危険な食べ物だと思ってたの?」
「一瞬そうかもとは思ったけど、別に本気で思ってないよ。ロシアじゃそんな普及してないと思うし。」
「うん。餅なんて、聞いたことないよ。」
「そうそう、これさー。」
いつか、それぞれの国の紹介とかをするのも良いな、と思ったヴェロニカであった。
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