ジラーチ誕生日小説〈1〉


 7月24日。


「そういえば...ジラーチの誕生日っていつなの?」


「ん、私?私は、8月7日、だよ。ヴェロニカちゃんは?」


「私は1月17日なの。まだまだ先ね。」


「へ〜、そうなんだ。」



 サラッとスルーしたけど。



 サラっっとスルーしたけど。



 サラっっっとスルーしたけど、8月7日って...2週間後、よね。


 誕生日って何すれば...どうすれば良いのかしら。ケーキとかは厨房の子たちに頼めば...。いや、折角なら手作りの方が嬉しいわよね。


「ヴェロニカちゃん。」


 あと、プレゼントはどうしようかしら。この学校、基本的に外出するのに手続きとかしなきゃいけないし、そんなことしてたらジラーチに知られてしまうし。


「ヴェロニカちゃん。」


 場所はどこにすれば...。ここみたいな各寮のロビーじゃ他の人に迷惑がかかってしまうからダメよね。


「ヴェロニカちゃん!」


「え...。」


 その瞬間、目の前がはじけた。

 多分、ジラーチが泡かなんかを作り出して弾けさせたんだと思う。だって、ジラーチの目は澄んだ青色をしているから。


「ヴェロニカちゃん、ボーッとして、どうしたの?なにか悩みごとでもあるの?」


「え、いや、何でもないわ。ごめんなさい、ボーッとして。それで、なんだっけ?」


「それで、フタバちゃんがね​──。」







 ─同日付、ヴェロニカの部屋で─


 もうあと2週間後だなんて。とりあえず、何をしなくちゃいけないか、リストにしないとね。


『・make a cakeケーキを作る


 ・find place 場所を探す


 ・find presentsプレゼントを探す



 まぁ、こんなものかしら。私だけじゃ出来ないし、みんなにも考えてもらわないとね。

 その話の時は、誰かにジラーチを連れていってもらうとか?



 あ、手紙で伝えればいいじゃない!



 我ながら名案だわ!




 それじゃあ、頑張らないとね!








「つ、疲れた...。」



 ふと時計に目をやると、午前3時を指していた。



 まぁ、5人分も書いたからそれぐらいは...。






 明日というか今日も授業あるし、早く寝ないと。


「おやすみなさい。」


 静かに、目を閉じた。

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