第七択。原点。

 自動販売機でよくやる事だが、缶コーヒーで新作が出ていた。

 しかし何時もの微糖が飲みたい、しかし新商品は期間限定で「また今度買えばいい」をするとそのまた今度の時には無くなっている事がある。

 そういう時は二個押しだ。

 運に、神に身を委ねる。

 そして今、飲むべき缶コーヒーを選んでもらう。

 一種の宣託だ、選択を迫られているだけにな。

 なので私は赤と青のボタンを同時に押す。

 さて全身から血を噴き出して死ぬか、新しい死に方をするのか。

 圧死と生き埋めだけは勘弁してほしい。

 何も起きなかった、はて?これは油断した所で一撃が来る流れか?

 そう思っていると何の前触れもなく明るくなる。

 そして私は部屋の全貌を知る事になる。

 マンションのワンルーム程の広さの部屋に畳一畳程度の床と後は底の見えない穴だけという異様な空間だった。

 そして正面の穴の向こうには通路があった。

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