第2話 善と悪

マイコは

「コジローさんは、料理なんてするんですか? 普通ですね、天才の割に」

と言う。

「僕は科学以外はいまいちだ。だから努力を知る」

マイコは目をパチクリさせながら、

「努力ですか……」

と言う。

僕は言う。

「そろそろ行くか」

ここは大都市、人が多い。イヌが不安そうに、

「ここがセイに襲われたら」

と言う。

そして、セイの大群がやってくる。僕は仕方ないという顔をして、

「数が多すぎる。引くか、て 」

と言っているところへ、何とネコ型ロボットが飛んできた。

僕はパイロットに尋ねる。

「一人で戦うのか?」

セイの兵士が言う。

「ヤツはネコ。最強のパイロット。ヤツを狩れば……」

兵士達は今にも涎を出しそうな感じだ。ネコが言う。

「一般人に手を出すな!」

それを聞いた一般人の顔付きが変わる。

「ネコがきっと守ってくれる」

ネコは、大群の攻撃を全てかわす。パイロットの資質は、主に正確さ、判断力、反応そして持久力といわれる。ネコは反応が特に高いようだ。兵士が言う。

「しかし、脱出されたらまずい。スタミナ切れを狙うんだ」

マイコは本気の目で、

「援護しなくては……」

と、言う。

時が経った。ネコも動きが鈍くなる。僕はネコに話しかける。

「後先考えずに戦うんだな」

「今、一人でも多くを救う、それが僕の役目だ」

僕は尋ねる。

「救う価値はあるのか? 混乱を狙って、死者狩りをしているヤツもいるぞ」

ネコは静かに言う。

「人の本来の心は、争いを求めていない」

ガードとコジは合体。それでネコを守る。アーチャーが遠くから援護。ネコは凄まじい強さだ。しかし、何時ものようにエネルギー切れが起きた。僕は言う。

「撤退だ」

時が経つにつれて、三人は絆を深めていく。

「そろそろ行くか」

と、僕は二人に声をかける。そして戦場へ。巨人が死者狩りを行っている。モリという巨人だ。モリが言う。

「僕は兄を殺したんだ。兄の力が宿っているんだ。何も怖くない!」

と、悲しそうだ。アーチャーの火力が上がっている。コジと合体する。近距離の火力が上がった。

イヌは力強く言う。

「僕が守る」

と。マイコは別のことを考えている。

「ネコは来ないんですか?」

僕が答える。

「巨人も一般人だしな。ネコと戦うことも、あるかもしれない」

モリが言う。

「この程度の火力で……」

モリのパンチ。ガードが追い付かない。

マイコが言う。

「ここは、一度分離ですね。コジローさんとべったりというのも……」

ガードとコジが合体。イヌが心配そうに、「火力不足ですよ」

と言う。しかし、僕コジローはむしろ嬉しい。

「進化は止まらない!」

と叫ぶ。刀が形状をどんどん変えていく。

「辿り着いた、この段階に! ツバメ返し」

モリは致命傷を負う。モリはやるせない顔で、

「僕は兄に劣等感を持っていた。スキをついて、優しかった兄を殺した。」

と言う。マイコの表情は曇る。止めはさせないだろう。マイコが言う。

「撤退ですね」

その時、ズバッという音がする。モリは狩られる。セイのエースのキルである。キルが言う。

「フフフ。俺はまた強くなった。次は……」

キルは一般人を次々に狩っていく。キルは言う。

「無能どもが」

大した成果は得られなかったようだ。

サトルの声が聞こえる。

「キル、これ以上の命令無視は許さん」

「もともと無能だったあんたも。最強パイロット・ロムを狩って力を得た、白兵戦でスキをつき」

サトルは激昂し、

「黙れ!」

と言う。

僕はそそくさと言う。

「撤退だ」

ある日僕は、突然こんなことを言う。

「技C、B、Aだ」

と。説明すると、技Bは技Cの十倍、技Aは技Bの約十倍のエネルギーを使う。この世界では当たり前のことだ。しかし効力は十倍ではない。効力は比例せず、大きく落ちる。使いどころが重要だ。マイコは不思議そうに、「でも、何故今頃?」

と尋ねる。しかし、イヌは理解したようだ。

「エネルギーが強化されたってことですね?」

「ああ」

そして場所は移り、サトルは呟く。

「マリアよ……、私は間違っていない」

その頃、結界を張っているマリアは。どうしようもない現実。マリアは寂しそうに言う。

「サトル……、私には力はない。世界を変える力が。でも貴方は……私は信じることしか出来ない、人ではなく、この世界の理を」



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