で、2年次の京丁椎

で、無事に進級した京丁椎でしたが、ここで学校側がやり方を変えました。それまでは成績順でクラス分けをしていたのが成績と関係なくバラバラに配分されるようになったのです。


成績下位のクラスは退学者も多く、明らかにエアコンが良く効く状況になったんですって。愛知の夏は暑いからねぇ…。成績上位のクラスに行くにしたがって生徒の数は減らない…講師側も『上のクラスは暑くてイカン』って言うくらいにクラスの人数に差がありました。


『お前等、頑張って良い成績を叩き出して暑い目にあっとるね~』だってさ。


そうなると座学や実技の得意不得意の有る連中が入り乱れる訳でして、『これってどうなってるの?』と生徒間で聞いたりすることが多くなりました。


でね、最初は鬱陶しいなって思ったんだけど、ここでまた優秀な友人の登場。


「でさ、京丁椎って聞かれた事を相手が分かる様に教えてるよな?」


聞かれた事を教えると『自分が本当に理解できているか否か』が分かるんですね。上手く説明できないって事は自分でも完全に理解できていないって事なんですね。


実際に説明して途中で『あれ?』となった時は何らかを理解できていない証拠なんだと教えられました。そう言えばその優秀な奴と勉強しててもそんな事は有った。


実際に軸重計算とか、デフの歯当たりとか、ディーゼルエンジンの噴射ポンプとか分からないって聞いてくる奴と一緒に復習した事は今も完璧に覚えて…いるかは怪しいけど、すぐに思い出せるはず。身に付く勉強ってそんなもんだと思う。


分からない人が分かるように説明出来るまで理解すれば完璧。


そんな訳で、頑張っているのに勉強が分からず困っている人とも勉強してみましょう。一緒に勉強すればお互いに高め合えると思う。友人にもなれるかも。


ちなみに妙に成績の良かった例の変わり者が言うには…


「どこまで解ってて、何が解らんかが解る奴が頑張ってる奴。一緒に勉強する価値あり。何が解らんのかすらわからん状態の奴に近寄らん方が良い」


怠けて『答え教えて~』なんて言う奴は答えだけ教えておけば良し。

そんな奴はゴミだ。親しくなってもロクな事は無い。


拙作の『大島サイクル営業中』で本田速人が白藤理恵に勉強を教えて成績が上がるとしている辺りはこの経験からのフィードバックです。


一緒に勉強した奴はメカニックを辞めて別の仕事に就いてます。整備士にしておくには次元が違う奴でした。私も整備の世界からは離れました。直すより運転する方が好きだからね。結局無駄な勉強だったかもしれないけど思い出と資格は残ったのでした。


さて、ここらで少し一服。


この文字ラジオを読んでくれている高校生。成績表を見て憂鬱になった人が居るかも知れないけれど、憂鬱など吹き飛ばして元気を出して欲しい。そんな訳でこの曲をどうぞ。今の若者にも聞いて欲しい名曲だ。


https://www.youtube.com/watch?v=783C8Xbwuco

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