第25話:幸せの青い鳥が、コウノトリに(201505-08)

新婚旅行は、お預けで、仕事が順調になり、会社を任せられる人ができてからという事にした。結婚してからというもの前にも増して、ラハールは、宝石商の仕事、スーパーの実演販売、宝石の買い出しと精を出していた。織子もドレス、ブラウス、

女性用スーツに宝石をつける縫製の責任者として製造部長に昇進、昇給した。今回、仕入れた、ドレス、着物をみて考えついたのだが、程度の良い中古のドレス、着物に、宝石をつけて、もう一度、作り直して、販売、リースをするつもりだと言った。


 利益率は小さいかも知れないが、きっと喜んでもらえる、まっとうな商売となるだろうと言った。また、以前、厚木でお会いしたダイヤモンドのカットの天才にカットを依頼して、みたこともないような素敵なダイヤとリーズナブルな値段で、富裕層の方々に直接セールスしていこうと思う。この3本柱でやっていこうと話した。吉川が、と言う事は、今残っている従業員はそのまま誰も解雇しないんですね聞いてきた

のでもちろんだと答えた。今後、縫い物のできる方を募集して、中高年の女性で洋裁のできる人なら内職でも、パートでも、常勤でも雇って、ドレス、着物に宝石をつけて、リセールしていく。翌週、従業員募集のチラシと、インターネット、スマホを通じた募集をして、40代、50代の女性2人の採用と60才以上のパートさん5人を採用する事にした。


 早速、社内に残っているドレスと、着物の25着に宝石をつけたデザインをデザイナーに委託して考えてもらったデザインの図面通りにドレスと着物を縫い直してもらい、リースの値段と販売価格をつけて、インターネットにラハール商会のHPをつくり、販売、リースを始めた。ぼちぼちと引き合いが出てきた。着物もドレスもリースが5割で、5割が購入という感じで、仕事が動き出した。実演販売の方は、出張をなくして、首都圏・東京、横浜、千葉限定でやっていくことにした。


 実演販売売上高、月間2.5億円と2015年6月は減少したが、出張費、交際費、を大きく減らし、若者の寮費と食費は、会社で持つことは変えず、やっていけるようになった。そんな時、ラハールの近くで、縫製の仕事をしていた奥さんの佐藤織子の具合が悪くなった様で近くの針子さんが集まってきた。その中の高齢の重信花江さんが、笑いながら。ラハールさん、多分、おめでただよと、ほくそ笑んで言った。

 早退して重信花江さんと一緒に、産婦人科へ行った。その後、電話で、おめでたとわかりラハールは、何か、すごい事を成し遂げたような高揚感を感じるのだった。

 この話を聞きつけた、針子さん達が、ラハール、おめでとうと祝福してくれた。その週の土日に、佐藤織子の実家に、おめでたの話をしに行き、喜んでもらった。


その後、ラハールの実家に行くと、久しぶりだねと、父のヒテシュ、カルテープが出迎えてくれた。孫の誕生を喜んでくれたが、もう1つ、元気がないので、詳しく聞くと、近くに、バングラディッシュのカレー屋ができてお客を取られて儲けが少なくなり、家賃を払うのがやっとだと話してくれた。思い起こせば、家を出て3年、ラハールは、自分の仕事が忙しかった事もあり実家に顔を出せていなかった。子供ができた事や仕事もすっきりとスリム化したのを期に、今まで、貯めた、お金で新しく家を買おうと考えた。


 更に、厚木の研磨名人に小さいけれど、カットの良い綺麗なダイヤを作るように交渉していたが、3ヶ月の交渉の結果、時間の空いたという条件付きで引き受けてもらえるようになり、翌月から、デザインカット用に適したサイズの原石を仕入れる事を約束した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る