第23話:正直者に女神が微笑む1(201410-12)
ラハールは、結婚式場や、大きな写真館、ホテルを訪問して、ラハール商会の宝石のついた、ドレス、カクテルドレス、ブラウス、女性用スーツなどを載せたパンフレットを渡して回った。ホームページにも載せ、宣伝した。スーパーでの実演販売の時にも個人売りできる宝石のついた、ドレス、カクテルドレス、ブラウス、女性用スーツの見本を紹介していった。とくに、結婚式場の貸衣装のドレス類や、ネット販売される中古の女性用スーツの中から、つかえそうな物を選ぶ、仕事を任せた佐藤織子が、何時も真面目に、熱心に、良い物を選んでくれ、良い仕事をしてくれていた。その仕事に、感謝しつつ、ある晩、食事に誘った。すると佐藤織子が食事しながら、ラハールさんは美男子だからもてるでしょと言い、何人ぐらい、恋人がいらっしゃるのと聞いてきた。いないよ、と言うと、嘘!、そんなはずない、ちょっと怒ったような
声で言った。いないものはいない、仕事が恋人かなと、ニヤッとわらうと、嘘つきと、可愛く言った。その横顔を見ていると、可愛い娘だなと感じた。
彼女は、本当なら、今度、ドライブに誘って下さると言ってきた。いいよ、湘南でもドライブしようかと言うと、本当、信じて良いのねと喜んで暮れた。2週間後の土曜日に、ドライブの約束をした。次の日、ラハールは経理の仕事を終えると佐藤織子を昼食に誘い食事しながら君は、いつ、誰から宝石の事を教えてもらったのと聞いてみた。すると、私事になりますがと前置きして、小さい頃は、父が、手広く、飲食業をして羽振りが良く、大きな家に住んで良い暮らしをさせてもらっていて、お母さんも洋服、宝石が大好きで、縫い物も上手だった。それで、自分の買ってきたドレスに宝石のブローチをつけたり、襟に小さなダイヤをつけたりして楽しんでいた。それを見ながら育ったので、付け方なのも教えてもらったと言うのだ。女学校を出て、大学に行く頃には、自分でも、宝石をあしらったドレスやブラウスを着るようになり、宝石の見分け方なども思えたと言った。現在、我が社では、ドレス選び、つける宝石選び、デザイン、全て、君に任せているからねとラハールが言った。
織子が、私って、それくらいした、特技がないのよと言った。しかしその後、でも料理も上手なのよと笑った。そして、いたずらっ子の様な、まなざしで、私の手料理を食べてくれると言った。その時、頭を殴られたような衝撃が走った。
そして、ラハールは、小さい頃、母に、結婚する人って、神様が自然に見つけてくれるのよと言うのを思い出した。本当に、自分に合う人なら、何か、必ず、サインを出すというのだ。お父さんとの出会いもそうだった。出会って、数回、デートしたとき、お父さんが、あるとき、頭を神様に、軽く殴られたそうよ、その時、お父さんは、頭にガーンという衝撃を感じたそうで、この人と結婚するんだと、自然に思って、私の結婚したのよと言ったのを思い出した。
もしかしたか、今の「ガーン」が、この人と結婚しろと、神様が言ったのかも知れないと思い、薄笑いを受けべた。すると、織子に、何笑っているのよと、怒られた。そして、デートの日、車をぴかぴかに磨いて、臭い消しもスプレーして、おめかしして、待ち合わせのレストランへ行き、第三京浜を使って、戸塚、藤沢、西湘バイパスを走った。海風が気持ちよい。そこらか、箱根ターンパイクで芦ノ湖へ行った。昼食をとり、芦ノ湖、遊覧船に乗って、駒ヶ岳ロープウェイで、頂上からの景色を楽しんだ。その後、ターンパイクで小田原から熱海方面に向かい、ヒルトン小田原へ向かい、海の見えるレストランで夕食をとった。
今日のドライブ、箱根の話をしながら、ラハールが、織子の明日、用事ないんだろと聞いた。えー、特にと言うと、折角だから、記念にワインを飲まないと誘った。特に駄目という言葉が出ないのでワインリストをもらった。店員がラハールがワインリストを回すと、ちょっと、おどけて私はワインの事、知らないんだと織子に渡した。織子は、お酒に詳しく日本酒、ワインは大好きだった。そこでカベルネソービニヨンの赤で、おすすめはと店員に聞いたのだ、それを聞いていたラハールは、すごいね、通なんだと、驚いていた。
店員がリストを見せて、こちらが渋め、こちらがライトと言った。織子が、ライトと渋めどっちが良いとラハールに聞いた。ラハールは、わかんないから、織子さんの良い方で結構ですと言い、織子がダークでと答えた。少しして、渋めのカベルネソービニヨンが出てきた。確かに、黒みがかった赤で、渋めだった。織子がゆっくりと、香りを楽しんで、ゆっくりの飲み始めた。それを見て、ラハールは、全く同じように飲んだ。織子は、満足そうに、流石ヒルトン、美味しいわねといった。
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