第22話:正直者に戻るか富士子への復讐か?(201402-06)

 その代わり、実演販売の方は順調にいっているので、これをメインに仕事を続ける。その他、新しいアイディアも1-2個あるので、それも試してみたいと言った。まだ話す段階ではないので、後日は話すと言った。どちらにしろ、売上は多分、半減するだろう。しかし、考えてみれば、君たち若いセールスを預かってから1度も失敗もなく成長できたのは奇蹟だ。これは、ラハールを拾って一人前の宝石商に育て上げてくれた、今は亡きビカスのお陰かも知れない。また、この業界で、助けてくれる人達のお陰だと感じた。今回も、この業界のある先輩に相談して、従業員の裏切りを知った。ラハールは自分自身の甘さを反省した。この数年の急成長は商売を甘く見て、あるめん自分や従業員に甘く、稼ぎさえすれば良いと考えに冒されてきたのに気づかなかった。だから、罠を見抜けなかった。


 そう言う面で、もう一度、原点に戻り、他人に喜ばれる、夢を与えられる正直な商売から出直そうと思っている。首都圏での大型スーパーでの実演販売をコアの商売。その他、今回、仕入れた、ドレス、着物をみて考えついたのだが、程度の良い中古のドレス、着物に、宝石をつけて、もう一度、作り直して、販売、リースをするつもりだと言った。利益率は小さいかも知れないが、きっと喜んでもらえる、まっとうな商売となるだろうと言った。また、以前、厚木でお会いしたダイヤモンドのカットの天才にカットを依頼して、みたこともない様な素敵なダイヤとリーズナブルな値段で富裕層の方々に直接セールスしていこうと思う。


 この3本柱でやっていこうと話した。吉川が、と言う事は今残っている従業員はそのまま、誰も解雇しないんですね聞いてきたのでもちろんだと答えた。今まで、小さな部屋で、細々と行っていたドレス造りを拡大させるために、座間市郊外のテナント募集がでていたいた縫製工業を新たに借り受けた。今後、縫い物のできる方を募集して、中高年の女性で洋裁のできる人なら内職でも、パートでも、常勤でも雇って

、ドレス、着物に宝石をつけて、リセールしていく。翌週、従業員募集のチラシと、インターネット、スマホを通じた募集をして、40代、50代の女性2人の採用と、60才以上のパートさん5人を採用することになった。早速、社内に残っているドレスと、着物の25着に宝石をつけたデザインをデザイナーに委託して考えてもらったデザインの図面通りにドレスと着物を縫い直してもらい、リースの値段と販売価格をつけて、インターネットにラハール商会のHPをつくり、販売、リースを始めた。


 ぼちぼちと引き合いが出てきた。着物もドレスもリースが5割で、5割が購入という感じで仕事が動き出した。実演販売の方は出張をなくして、首都圏・東京、横浜、千葉、さいたま、茨城、栃木、群馬、山梨、静岡までの範囲で、月曜日から土曜日まで、毎日、朝出かけて、夕方6時に帰ってくるパターンで2グループに分けて

、行動することにした。そして、最終週の4日間を連休とする事にした。


 もちろん、事務所も従業員用のマンションも今までどおり会社の支払いとして、給料も12万円/月を支給し、儲けが超過した場合は、夏と冬にボーナスを出すと言うことにした。今年の夏から、24万円/月、冬36万円/月を支給していくことにした。売上が伸びてくれば、比例して給料を上げていくのは言うまでもない。この、事件の後、若いセールス達とラハールは、しっかりと地に足のついた営業、販売活動で徐々に売上と利益を上げてきた。もちろんパートさんにも、十分な給料を支払った事は言うまでもない。4月から、計画通り、3班に分かれての実演販売を2週目から、開始した。実演販売売上高4億円は新記録で、宝石を付けたドレスリメイクが、豪華な割に安いので、売上が1千万から3千万と増えてきた。

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