第12話:年の初めの売り上げ(201203-06)
3月に入り外商での売り上げが上がってきて集計して1億円を超えた。売れそうな先の80%が売れた。今月の実演販売は2週目から7日かけて東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡のデパートに出かけた。
高価な商品を持って、実演販売をし、金持ちそうなおばさんを壇上にあげて、豪華な宝石をつけてもらい、マネキンの様に褒めちぎった。東京で買いますと手が上がって売ろうとしたとき待ったコールが上がり1000万円のブルーダイヤに1050万円でと声がかかり他に声はないかと聞くが、1050万円で売れた。
こんなに高額商品で待ったコールは初めてだった。そのため、次の高価なピンクがかったダイヤも9百万円を予定したが1千万円で商品を出して、また、お客さんを壇上にあげて、つけてもらうと良く似合って見るからに上品そうで高貴な感じがした。
少しして、1千万円で落札された。カラーダイヤの人気がこんなに高いとはビックした。続いて、血の様な真っ赤なサファイヤが出て売り予定値を600百万円と考えていた商品をまた、色白でちょっと太めで色っぽい女性を壇上にあげて、真っ赤なサファイヤをつけてもらうと驚くほど似合っていた。そこで思い切って600万円を提示したところ売れた。その後も売却予定額よりも50-100万円上乗せして販売して、ことごとく売れた。たぶん、これは、年の初めのご祝儀気分というのも影響したのかも知れない。しかし、宝石のにあう女性を壇上に上げて、つけてもらう作戦が効果的なのには驚かされた。壇上に上がる、モデルの女性も美しい宝石をつけられて満足そうだった。そんなこともあって、販売数量は56%だったが、販売金額の方は68%の9千万円で終了した。外商での売上を8千万円と合計して1億7千万円、その他の販売で4千万円で総計2億1千万円だった。
その後、また、来月販売する宝石類を買いに、東京都内と横浜へ出かけた。
先月の高価な宝石が残っているので、今回の買い付けは1億3千万円程度を目安に、色きれいなもの、サイズの大きいもの特徴のあるものを中心に買い込んできた。実は、販売金額が高くなるにつれて、純利益が上がり、利益剰余金残高が増えてきたお陰で、宝石を調達するお金が潤沢になってきて、自由に、買い付けできるようになってきた。
買い付けを終えて事務所に戻って今回の実演販売で宝石が似合う女性につけてもらって、お客さんに見てもらい、予定価格より高く、売るというアイディアを考えた、佐藤秀夫君には、特別報奨金10万円を渡した。そして、彼を実演販売係の係長に昇格させ来月から10万/月の給料を12万/月に昇給することを約束した。今回は、高価な宝石を仕入れたので残った宝石の金額は大きいが次回の販売に使う様にする。
今月は、新しい、賃貸マンション1DKマンションに若いセールスマン10人
が引越をして、また、心機一転、宝石の販売に頑張ってもらうようにお願いした。
彼らも、以前の古いアパートから、引っ越しして、ラハールに恩義を感じ、
頑張りますと、みんな意気盛んであった。家賃は会社持ちで、給料も8万/月から
、10万/月にアップした。儲かったら、待遇改善を約束するラハールだった。
1月も好調だったので、最後の週を休暇にして、5月からの販売に備えて、
ゆっくり休んで英気を養ってもらうようにした。
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