第11話:新年の活動開始(201201-03)
2016年1月になり、2週目の月曜から、年始のあいさつ回りと売れなかった商品の引き取りを兼ねて、ラハールと鮫島次郎と吉川三郎の3人が札幌から東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡を4日間で回ってきた。昨年末、吉川が6件で2千万円のダイヤと真珠を売り上げたが、鮫島は5件は販売見込みのうち2件で5百万円のダイヤと真珠を売っただけとなった。かなり差をつけられた鮫島は、今年こそは、がっちりと上客と外商さんをつかんで実績の挽回を誓った様だ。吉川は彼の特徴を生かして、1人でも多くの外商さんと仲良くなり、できるだけ多くの商品を売り売上金額を増加させていこうと考えていた。
1月は、宝石問屋に在庫が少なく、小さくて、高額商品が少ないのでラハールは、3日がかりで多くの問屋をまわったが新規の問屋は信用してくれないので売ってくれないのだ。想像以上に封建的であった。そこで顔を売るため岸田絹子さんに電話して宝石問屋を新規開拓したいのでと同行してもらうようにお願いした。来週の火、水、木曜に朝から、行くことになった。岸田さんの家に泊まり込んで出かけると言う条件付きで了解された。
火曜、山手線と中央線沿い、水曜日は小田急と田園都市線、木曜は、東急線と京浜東北沿いを横浜、関内あたりまで1軒でも多くの問屋さんを訪問した。業会で顔の広い岸田さんとの同行はラハールにとって得るものが多く有意義だった。しかし、仕事を終えると、岸田さんと食事を終えて、毎晩のお相手は、いくら若いラハールと言っても、あまりの絹子さんの激しさに圧倒された。最後の日、これから、もし、欲しい商品が集まらず困ったら、連絡して頂戴できるだけ協力するからと言ってくれた。おかげさまで、1月は欲しい豪華な宝石や、大きな真珠、素敵な色のオパール、ルビー、サファイヤ、エメラルドを数多く取り揃えてることができた。
1月は、1.5億円と過去最高の金額の高級な宝石を手に入れることができた。石島富士子に言われた、結婚祝いのきれいな色の宝石も数多く手に入れたので、その写真を10枚石島さんに送って調べてもらった。2種類が購入候補にあがったので次回の訪問で持参することを約束した。若い12人のセールスマンが1月10日から
7日かけて、実演販売のため、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、福岡のデパートに出かけた。札幌は雪が多く、中止とした。今回は、素敵な色の真珠、オパール、ルビー、サファイヤ、エメラルドを数多く持ってきたので、かなり評判が良く、次々と売れていった。東京、横浜で持参した商品の半分が売れたのだ。
名古屋、大阪、神戸で80%も売ってしまった。福岡でも売れ行きは衰えず、ほとんど売りつくしたのだった。1月20日から25日にかけて、札幌は雪でキャンセルし、東京、横浜で、素敵な色の真珠、オパール、ルビー、サファイヤ、エメラルドを持参した。かなり反応よさそうとの報告を受けた。名古屋、大阪、神戸でもこんなに大きくてきれいな色の宝石もっと早く持ってきてほしかったと言われるほど好評であった。福岡も同じ反応であり、心強い、年の初めとなった。
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