第5話:宝石を磨け、うまく細工しろ(200910ー201003)

 A商会から買ってきた4千万円分の宝石を研磨加工と真珠の細工を指示して早急に製品を作れとラハールは加工職人に指示した。1週間でダイヤ、サファイヤ、金、銀の研磨が終了し、若い販売員に磨き上げたダイヤのカットの素晴らしさを前面に押し出して高く売るセールストークを教え、金、銀製品は、その輝きをアピールして少しでも高く売るように申し渡した。とにかく1点でも多く宝石店を回り売ってこいと激励した。1週間で、約半分の商品を売り上げた。その週の日曜に、真珠の製品の細工ができあがりラハールが真珠製品の1つ1つの特長のPR方法を丁寧に教え込んだ。綺麗な配色の真珠のネックレス。小さい真珠から大きい真珠をいれた素敵なネックレスや美しい形のブローチ、イヤリング、ブレスレットがセールスマンの手に渡って、宝石店に売り込みを開始した。


 真珠の方は、ユニークな色と形が好評で高値で1週間で完売した。残ったダイヤ、サファイヤ、金、銀、プラチナ製品をラハールも一緒に1件でも多くの宝石店に売り込みをかけた。しかし、全体の1/3が売れ残ってしまった。3月の年度末で在庫を増やすのに消極的な店が多く無理して安売りしないように言った事も原因のひとつのようだった。やがて4月になり残りの製品は5月中に全部売れた。


 販売総額は2億円で、3ヶ月手形の所が多く、6月に金が入る。利益率が高くなった理由は、不人気商品を安く買いたたき、研磨で輝きと美しいカットにして高く売ること。次に真珠の方は大玉でも、色、形が今ひとつの製品を安く仕入れて、加工して、綺麗な形、色に修正して、細工した商品に変えたり、いろんな色や大きさの素敵なネックレスにして高く売る事ができたために高く売れた。6月初旬、商品がほとんどなくなったので、1週間の休みとした。6月2週目にA商会に電話を入れて、主人に宝石、真珠、金、銀、プラチナの入荷状況を聞き出かけた主人が倉庫の商品を見せてくれたが格安の製品が少なく買い入れ額が前回の半分4千万円であり、まだ足りないので岸田商会の社長、岸田絹子に電話したところ、今晩来てと言われ、倉庫の商品を見せてもらい、格安の商品ばかり6千万円分を購入した。


 今晩も食事をして一夜を共にして何か良い話はないか聞き出そうとした。すると、宝石や真珠、貴金属をただ、宝石商店に卸すだけでなく、デパートそれも、地方のデパートに行き、外商部に顔を作って売った方が良い。また、デパート、大型スーパーでの実演販売も高く売れることを教えてくれた。


 ネット販売の時代だから、そのルートも作るべきだと言ってくれた。そこで、今後、宝石類の販売は若手セールスマンに売り方を教えて後、販売を任せ、ラハールは新しい販路探しに、全国を回る事にした。

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