カナリアが愛した世界

作者 浅白深也

26

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★★★ Excellent!!!

人間ドラマって、人物を深く掘り下げてストーリーを進めるからこそ、展開一つで読者の心を大きく揺さぶるのだけど。
この話は人間ドラマの基本的な在り方が成功している。

そして、読み終えた後に心地良い脱力感があるのは、個人的に新鮮だった。

一人の子供と一人の魔女を中心に話は展開していく。
けど、子供は「可哀そうな子供」という生き物ではなく、子供も「一人の人間」として描かれているのが、一番感動した。

子供=カナリアの他にも、主人公のエリシアも初めは冷酷な考えを持つ魔女でありながら、徐々に変化していく様を丁寧に描かれていた。

二人の人物を掘り下げるだけではなく、背景にいる脇役にも、描写こそ短いが終始、人間だった。

きっと、優しい世界って、こういう作品を差すんだろうな、と納得。
日々に疲れた人や優しさを知りたい人には読んで欲しい。

この機会に、是非ご覧ください。

★★★ Excellent!!!

心がささくれた時にこそ、読んで欲しい。
この作品はそんな愛おしいお話です。

私はほとんど手を止めることなく読み進めて、最後まで読み終えた時にはあたたかくて優しい気持ちになれました。
読後感がとても良かった。

気まぐれで少し偏屈な魔女エリシアは、幼い子どもと出逢います。
無垢な子どもとのふれあいの中、魔女に芽生える気持ち。彼女に隠された過去。
時に現実は残酷です。けれども、本当に大切なことは何かを気づかせてくれるのです。

魔女エリシアだけでなく、この作品の登場人物たちは、皆それぞれがそれぞれの考えをもって生きています。
それが自然かつ丁寧に描かれていて、読み手に訴えかけてきました。
時にはハッとさせられることもあるでしょう。

胸が苦しくなるような場面もあります。
かわいらしさに思わず頬がゆるんでしまう場面もあります。
そのどれもが愛おしい。

魔女エリシアは幼子とどう過ごし、どうなっていくのか。
ぜひ、あなたの目で最後まで見届けてください。

私も再び彼女たちに会いたくなったら、きっとページを捲りにくると思います。