17日目<休日のひとコマ>

身体を休めることも大切。

休日の過ごし方は人それぞれ。

あなたはどんな休日を過ごしますか?


➖➖➖➖➖


『じゃあ五十川いそがわさんは今週の土日は休みだな!』


連休となると、まとまった時間がとれる為に、あれやこれやとやりたい事が次々に出てきて頭を抱える。鈴は今まさにそんな状態、何も決まらないでいた。


(夏服買いに行こうか…家で読んでない漫画読もうか~…映画観に行こうか…あ、髪もそろそろカットしたいし、本屋も行きたい…今月は新刊ラッシュなんだよ~、あーもー!サイコロふって決める!)


この時既に日付が変わって、土曜日の1時50分。


「…が出たら本屋、っと。出来た!あれ?一つ足りない。うーん、じゃあ最後の一つはコレで!」


準備が整い、鈴はサイコロに明日の全てを預けた…


「行け、我がサイコロよ!全ては我のためにあり」



…………土曜日9時30分



「ゆっくり、ゆっくり!オーライ…ストーーップ!じゃあ次はあの小さいの。」


陽子は仕事だった。

仕事中の陽子はまったくの別人だ。

相変わらずの凄みを醸し出していた。

この仕事は、本来玄三が専属で担当するのだが、玄三は甥っ子の結婚式へ出る為、陽子が引き受けたのだ。ちなみに、この現場はいつも午前で終わるが、一日分の日当が付くとても美味しい案件なのだ。


「日野ちゃん!うちの会社に来て~な。玄ちゃんより出来るやん。コレ、弾むで?」


卸先の建築会社現場監督は、指で円マークをみせた。どこでもよく言われるのだろう、眉ひとつ動かさずに受け流した。


(今日はこれで終わり。帰ったら洗濯しなきゃ。)



…………土曜日11時30分


仕事を終えた陽子が車庫へ帰ってきた。


(あれ!?リンリン休みじゃ…)


鈴が洗車スペースでせっせと車を洗っている。


「あ、ヨーちんお疲れ様!柳さんの代わりだってね!近くだったの?」


「うん。場所は八幡の方だったよ。リンリン休み…だよね?」


「休みなんだけど~、イソジンの洗車!あ、イソジン?『いすゞのエンジン』。そこから取ってイソジン。運を天に任せたらこうなっちゃったーはははー……はぁ、帰ったら漫画読も!」










「………そう。」










「でも、ヨーちんに会えたから、よかったらお昼一緒にどこかで食べよ?嫌…かな?」

















「ううん!いこっ!!……エヘ。洗濯はあした。」




「ヨーちん何か言った?」




「ううん?なにも!」








今日、仕事してよかった。







陽子の後ろ姿はとても明るかった。




17日目終了。

今日も一日お疲れ様でした!


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