第3-2話 暗雲情勢・中編

「「「よろしくお願いします!」」」

草木に朝露したたる頃、若者たちの礼の声が野に響き渡った。

俺たちのグループは、1番楽な平原での仕事だった。

それでも、急な豪雨に見舞われたり、小型の魔獣が襲ってきたりしたが、皆の協力あって何事もなく仕事を終えられた。

「はい、報酬の30ブル」「ありがとうございます」

恰幅のよく、それでいて筋肉のある親父が報酬をくれた。銀製のメダルに牛のような顔が書かれている。大きさは500円玉が1番近いかと。

5ブルでパンが1個、15ブルでナイフ1本を手に入れた。残りは酒場でオールするために使うつもりだ。ん、酒は駄目だって?

ここにそんな法律はないっ!

-酒場-

「おう小僧!呑んで呑んで呑み尽せ!」

まっっっって。思ったよりきついわ。

「……でよう、最近王…よお、いったいどうなってん……」

「くぁ〜。あいつらまたあの話か!」

「あの話、とは?」

「そうか、あんたも異邦人か。あっとなァ、最近ここのヴィルレシア王国と北方のアラグス王国の間に溝が出来ちまってよ、いつ戦いが始まるかもわかんねぇ」

いきなりのニューワード。ここはヴィルレシアというのな。

「ついこの間先代の王がおくたばりなさって、権力のゴタゴタでまだ王家は弱々しいんだわな」

「そこにアラグスの軍勢が、ダダーッと攻め込んできちまやあ、もうおしまいよ…」

あ、やべえ、酔いが……(バタリ

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気がついたら大国の中心に自分はいた SLA-PEN @Slime0527

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