第7話 肉体創造と加護②・・・

名前を決める事になり、参考にこの世界いた頃の名前を聞いた俺は・・・

「ジーリアス・・・ジーリアス・・・ジーリアス・・・」

自分で自分の名前を復唱する。

どうしたのかと覗き込む3神に、俺は告げた。

「よし!俺はこれからジーリアスと名乗る!」

【【【はぁぁぁぁぁ???】】】

唐突な名乗り宣言に、3神は目を見開いた。


「ダメか?」

女神達の反応に、困惑する俺にオリヴィアが答えた。

【ダメと言うか、さっきのサーシャの話は聞いていたの?下位の神が、上位の神の名を口にするのは、不敬だって!】

「聞いていたさ。でもそれは上位の神ならば・・・って話だろ?俺は神の位を捨てた身なんだから、当てはまらないだろ?」

不敵な笑みで見つめた俺に、オリヴィアは唖然とした。

そこに黙って聞いていたエマが声を発した。

【うん。。。とうさまは。。。とうさまだけど。。。もう最高神さまじゃ。。。ない。。。ジーリアス。。。いいと思う。。。】

【あはははは!父様は昔から奇抜な事をしていたけど・・・

人の身になっても、それは変わらないね!】

【そうですね。お父様は昔から本当に・・・】

3神に認められ、漸く俺の名前が決まったのだ。


【それでは、お父様の命名の儀を行います。】

「命名の儀?」

【はい。この命名の儀を行わない限り、肉体に名を刻む事は出来ません。下界の者は聖エルイティー教の教会で、司祭代行でこの儀式を行い、私達が神像を通して肉体に名を刻みます。】

「じゃあ、皆が直接肉体に名前を刻むは、俺が初めてなんだね。」

【はい。その通りです。】

俺が何故名前を刻むではなく、と言ったのか・・・

それは後述する事になるが、3女神が人種以外に名前を刻んだ者がいるという事だ。


【改めて、お父様の命名の儀を行います。申し訳ありませんが、お父様・・・私達の前で跪いて頂けませんか。】

「分かった。」

心苦しそうな顔の3神に対し、俺は神時代の記憶がない為、全く苦にもならない。


【それでは。】

サーシャの合図と共に3神は、俺の頭に軽く手を置いた。

【我、生命神サーシャの名のもとに】

【我、魔法神オリヴィアの名のもとに】

【我、創造神エマの名のもとに】


【【【汝、真の名をジーリアスと認め、その名、ここに刻まん】】】



チクッとした痛みが、胸の奥からしたかと思うと、全身から力が湧く感覚に驚いた。

「何だこの感覚は?」

【それは、魂が肉体に定着した事で、魂に宿った本来の力が解放された為だよ!】

オリヴィアが、そう説明し終わると・・・

【とうさ。。。ジーリアス。。。少し。。。しゃがんで。。。】

とうさまと言いかけて、言い直したエマが、服の袖を引っ張りながら、話しかけてきた。


「どうしたエマ?」

小さいエマに合わせて、少し屈む。と不意に・・・チュッ!

何とエマが、ほっぺにキスしてきたのだ!

それだけなら、可愛い娘のキスだ。喜ばない父親はいない。しかし・・・


【我、創造神エマの名に於いて、ジーリアスに幸あらんことを。】

その言葉と共に、何かが体の中に入っていく感じがした。

「うわッ!びっくりした!何今の感じ!」

【わたしから。。。ジーリアスに。。。贈り物。。。だよ。。。】

エマの言った意味が分からなく、頭の上に???を浮かべていると・・・


【ああ!エマだけずるいよ!あたしもするー!】

【私も負けていられません。】

オリヴィアやサーシャまで、左右かほっぺにキスをしてきた。

【我、魔法神の名に於いて】

【我、生命神の名に於いて】

【【ジーリアスに幸あらんことを。】】

また、その言葉と同時に何かが、体の中に入ってきた。






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