第6話 肉体創造と加護①・・・

俺の肉体を造る事になったのだが・・・

『すげぇー・・・』

その一言に尽きる。

3神が、俺を中心に正三角形の点の位置に移動したかと思うと

片膝立ちになり、手を胸の前で組んだのである。

まるで、何かに祈りを捧げているかのように・・・

後で知った事なのだが、から生命体の肉体を生み出すのは

いくら3女神とはいえ、相当難しく3神の力を合わせての初めて可能だと・・・

この領域は最高神・・・つまり俺だけが可能な、まさに神業なのだ。


話を戻そう。

3神が祈りのようなポーズをしながら、何やら理解不能な言葉を

唱え始めた。

因みにこれは神語しんごと言うらしい。

神の位を捨てた俺には理解出来なかったのだ。

【¥@904&!#‘*<p‘ *++{L*>+】

【¥@354&!%*+<p‘ #$%「L*>+】

【¥@213&!&%$<p‘ }*>+L*>+】

すると、3神の体から青白い光が放ち始めたと同時に

同じく青白い光の線が、女神達を結んだ。


【【【¥)3}*!‘ <‘+>#:”{’&%$!】】】

次の瞬間、俺の足元に直径2m程の魔法陣が浮かび上がり

目も開けられない程の光に包まれたと同時に意識がなくなった。


【やり過ぎたかしら・・・】

【大丈夫だよ!あたしたちの父様なんだから!】

【大丈夫。。。いい感じ。。。】

【そうよね。きっとお父様も気に入るわね。】






「んー。どうなったんだ・・・?」

体に違和感を覚えつつ、俺は目が覚めた。

【お加減はどうですか?】

心配そうな顔しながら、3神に見つめられた。


「大丈夫だよ。少し変な感じはするけど、何だか体は軽いね。」

俺は伸びをしながら起き上りつつ答えた。

【始めは多少の違和感はあると思いますが、すぐに慣れます。】

【あたしたち渾身の出来だよ!】

【がんばった。。。とうさま。。。気に入る。。。はず。。。】

「ありがとう皆。」

感謝の気持ちを伝えつつ、3神を抱きしめた。


【それでは、残り時間も少なくなってきましたので、やらなければいけない事

伝えなければいけない事を済ませましょう。】

「ああ、頼む。」

サーシャに微笑みながら答えた。


【魔法を使ったり、スキルによっては魔力を使用するものもあります。ですが今は時間がないので、下界で最も安全な場所に降りて頂き、そこで魔力を操作する訓練して頂きます。】

「分かった。」

【次に下界のお父様と、神界の私達との連絡ですが・・・

下界で私達3女神を祭る聖エライティー教という宗教があります。その教会にある神像の前で、私達に呼びかけて頂ければお話しが出来ます。】

『エライティーねぇ・・・確かヘブライ語で、エラは女神。イティーは彼女と共に。

だったかな?女神と共に・・・か。』

「前世での地球で、あまり宗教にはいい印象がないんだよな・・・」

呟いた俺に・・・

【申し訳ありません。その方法でしか連絡が取れないので。。。

無理にとは言いません。これは私達の勝手な希望で、お父様とお話しがしたかっただけですから・・・】

今にも泣きそうなサーシャに、慌てて答える。

「いや!別にいいんだ!皆と話せるのは、俺の望む所でもあるんだから!」

【本当ですか!有難うございます!】

『これが俗に言う父親は娘に甘いってやつなのかな。』

パァーと明るい笑顔に戻ったの見て、安堵する俺がいた。


【次にいく。。。】

エマに促されて、サーシャは慌てて話を進める。

【あ!はい!お父様は現在肉体は戻りましたが、まだ名前がありません。本来名前は魂の器である肉体に刻まれる事によって、不安定な魂を肉体に定着させる大事なものです。ですから神界に居る今だから大丈夫ですけど、下界に降りれば1週間と待たずに魂が消滅してしまいます。ですので、今の内にお名前を決め肉体に刻みしょう。】

「因みなんだが、俺がこの世界に居た時の名前はあったのか?」

【はい。お父様の名前は・・・ジーリアス様・・・です】

名前のところだけ、妙に小声だったサーシャ。

不思議に思い、尋ねると

【本来下位の神が、上位の神を名で呼んではいけないのです。不敬にあたりますので・・・これは下界の者が、我々神の名を口にはしていけないのも然りです。】

「そうだったのか。まぁ俺はもう神ではないのだし、気にするな!」

【しかし!・・・いえ、分かりました】

渋々とは言え、了承したサーシャに俺は微笑んだ。





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