第5話 ステータスについて・・・

「うわっ!」

いきなり目の前に、謎の画面が現れた。

咄嗟に突き出した俺の手は、空を切り肩すかしを食らった。

【あははははは!父様、それは触れる事は出来ないよ!】

大笑いするオリヴィアにムカっときたが、恥ずかしさもあり

怒りも自然と消えた。


【それはね!ステータス画面って言って、その人の情報とかスキルを

可視化したものなんだ!】

【触れる。。。出来ない。。。他人が見る。。。出来ない】

オリヴィアの説明に補足したエマ。

『あの話し方・・・しんどくないのかな?』

【うるさい。。。ほっといて。。。】

俺の心の疑問符に突き刺すように返された。


【他人には見えないんだ!勿論、あたしたちにも!でも、見せる方法もあるんだよ!ステータスオープンって言えば、他人にも見れるよ!】

「ステータスオープン」

半透明だったガラスのような画面が、色が濃くなりはっきりと見えるようになった。

【そそ!それであたしたちにも見れるね!でも気を付けて!あたしたちだから

いいけど、安易に他人には見せない方がいいよ!弱点とかばれちゃえば、それだけ危険だから!この世界は命の価値が、凄く安いからね・・・】

「そっか・・・教えてくれてありがとう。」

凄く悲しそうな顔をしたオリヴィアとエマだったが、ニコっと微笑みながら

頭を撫でてやると、笑顔になってくれた。


【父様のステータスは、魂は人になったけど最高神様なだけあって

普通の16歳よりは高い方だね。体力と魔力の平均値が100程高いよ。

ユニークスキルなんて、滅多に持ってる人はいないんだ。

スキルの横にある(数字)はスキルレベルだから、それによって出来る出来ないがあるから理解してね。】

「そうなんだ!役得だな!でも名前がないのは何でだ?」

【名前は。。。特別。。。名前は。。。肉体に。。。刻まれる。。。】

エマが教えてくれた。


「え?今俺の体ってないの?」

驚く俺にオリヴィアが答える。

【父様は元の世界で死んじゃったから、今は魂(神霊体)だよ。その状態じゃなかったら、あたしたちもこっちの世界にに連れてこれなかったしさ》

『そっか!だから始めに名前を呼ばれた時、一瞬誰だか分からなかったのか・・・

肉体と共に、刻まれた名前まで失ってしまったから・・・』

「じゃあ、下界に行く時はどうするんだ?」

魂のままで行ったら、ただのお化けじゃねぇかよ。

【それは今からあたしたち3神の力で、肉体を造って魂を定着させるよ。

サーシャ!おい!サーシャ!】

【え?何?どうしたのオリヴィア?】

未だトリップしていたサーシャを揺すり、何とか戻ってきた彼女であった。


【どうしたの?じゃないだろ!父様の肉体、造るんだろ?】

【そうだったわ!ごめんなさい。。。】

【そんな事。。。より早く。。。時間。。。もうない。。。とうさま。。。消えちゃう。。。】

「時間がないって?消えちゃう?」

【申し訳ありませんお父様・・・人の魂に近いお父様は、この神界では

異物になってしまい放置すれば、いずれは消滅してしまいます。】

「サーシャ達の所為じゃないんだから、気にしないで!

じゃあ早速俺の肉体を造ってくれないか?」

【【【はいッ!!】】】

暗い顔をした3神を抱きしめながら、優しく言うと

元気いっぱいの返事が返ってきた。

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