第42話 機内で講習

女子会メンバー3名は、帯同していた中型輸送機に乗り込み、直接日本へ

向かう事になった。

離陸して、しばらくすると・・・ ポォンと、アラームの音。

座席のシートバーが持ち上がり、ティナとミナコは自由に動けるようになった。

ステラ「それじゃ、中継ポイントに着くまで時間があるから・・・」

そう言って、よく会社の会議で使われるようなホワイトボードを二人の目の前に

置いた。  だが、それは映像が出るスクリーンでもあった。


{ 環境に合わせ変化を遂げるナックルボール・地球と人類への課題  }


ティナ「・・・ちょっとさあ、おーげさなんじゃない?」

ミナコ「て、ゆうか・・・日本のニュース特番よね?」


{ ナックルボールは様々な形態に変化する・・・と聞くと、みなさんは意外に

思われるかもしれません。 

まずは、発見された当時の出来事を振り返って見ましょう。


1、そもそもの始まりは、202X年に観測された、夥しい数の流星雨。

それらが、これまた夥しい数のデブリや廃棄された人工衛星に衝突、その多くが

大気圏への落下の際、摩擦熱で燃え尽きてしまいますが、中には海や陸に到達して

しまう物もありました。どうやら、それに紛れて地球に侵入した可能性が高い・・

現在、これが最も有力な説です。   でも、それだけではありませんでした。


2、衛星軌道上に留まる物。

留まって何をしたかと言うと・・・廃棄された人工衛星に取り付き、なんと再起動

させてしまいました。 (不鮮明な、歪な形をした人口衛星の写真)

再起動させて、いったい何をしたか・・・

ある物は電波を飛ばし、ある物は・・・なんと、デブリの回収を始めたのです。

電波の場合、何らかの法則性を含めた暗号なのでは?といった説もありましたが、解析の結果・・・それらは単なる数字の羅列としか考えられませんでした。

そして、それらは未だに解読できていないのが現状のようです。

では、デブリの回収とは何を意味するのでしょう? 

そこにはちゃんと、理由が存在していたのです。

その答えは『第二波の流星雨』に隠されていました。 }


ここで、映像はPAUSEにされた。

ステラ「・・・・・・・」

ティナとミナコは、座席に深く腰かけたまま寝息を立てている。

ステラ「しょーがない・・・ 続きはまた今度ね。」


一行は、いったんハワイパールハーバー基地に立ち寄った。

女子会メンバーは食事休憩。 その間、輸送機に給油と再点検が施された。


ミナコ「えっ、街に出ちゃダメなの?」

ティナ「なんかねえ、そうみたい。いろいろとメンドーになっちゃうとかで。」


別の所で電話をしていたステラが二人に向かって一言。

「出発よ。」






  

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