第37話 人呼んで、カピタン。

ケンはカフェに戻るや否や、ステラに自分のスマホを渡し、再び戦車のハッチを

開けようとした。

ステラ「え・・・? リーダー、どうゆう事?」

ケン「それ、無断侵入したドローンの撃墜された地点のデータがはいってます!

すぐに本部へ連絡してください! 急いで!」


メンバー3人は、犬小屋型PCの周りに集合した。

すると、空中に現れた文字。


      ・PCを起動させてください・


ティナとミナコが所定の位置に座ると、オーケストラの演奏練習のような音の後、

PCに画面が表示された。  そこには・・・


     ・アップデートに関する重要なお知らせ・


・私こと、MARK'Nは今回の模擬戦で露呈された致命的欠陥を改善するため、

装備と内装一部のリフォームが必要と判断、決定に至りました・


ミナコ「致命的な欠陥って・・・? そんなのあった?」

ティナ「マークン、教えて。うちらにも分かりやすく。」


   ・両脇にある二つの砲台ですが、砲門が一つずつで可動式・

   ・そもそも、その構造自体が欠陥でした・

   ・これでは照準を合わせる際、タイムラグが生じてしまいます・

   ・砲台を動かす余計なエネルギーと、お二人にかかる余計なストレス・

   ・降りかかる複数(多数)の飛翔物に対し、こちらで補足しても、この構造    では対処し切れないという危険性が充分に考えられます・

   ・つきましては、2週間程のお暇をいただき、その間にアップデートを完了    させたいと考えております・


ケン「いや、マークン、俺が知りたいのはどうやって改造を施すか?なんだが!」

ところが・・・

ミナコ「反応がない・・・」

ティナ「ただのアカバネのようだ。」

ミナコ「・・・・・・」

ケン「そうだ、二人とも! 今のうち、この文面を撮影しといてくれないか?」

ミナコ「そっか、報告用ね!」

ティナ「リーダーのは・・・ステラさんに渡しちゃったんだっけ。」

それぞれ自分のスマホでPCに表示された画面の写真を撮る、ティナとミナコ。

すると、そのタイミングを見計らったような文章の入れ替わりだった。


    ・ご注意! アップデート期間中は一切の動力系統が停止します・

    ・これよりカウントダウンを開始いたします・

    ・その間に、この部屋から屋外へ退出してください・

    ・よろしくお願いいたします・


その直後、画面にデカデカと3桁の数字が示された。   ・120・

そして、119、118と、1秒ごとに刻まれる秒読み。

ケン「・・・2分足らずか!」

ミナコ「ティナ、靴ひもなんてあとでいいから!」

ティナ「今度からあたしもスニーカーにしようっと。うん!」

ケンがハッチを開けると・・・

ギョロ目の黒人中年男と目があった。

ケン「!!」

「カピタン、来てくれ!! やっぱり(人が)乗ってたぞ!」

駐車場の風景が一変していた。

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