第33話 意外な対戦相手 (1)

ステラの掲げたサインボードには、ROUND3 の文字では無く、

      “ FINAL ” と記されていた。


ティナ「見て! ファイナルだって!」

ミナコ「・・・ほんとだ。」

ケン『二人とも、さっき座席がグルングルン回っていたけど、大丈夫?』

ティナ「うん、どおってことないよ!」

ミナコ「あたしも平気。ちょっと、びっくりしちゃったけどね。」


しばらく待ってみたが、航空機関連の爆音は響いてこない。

だが、遠くの方からエンジン音が聞こえる。

ケンから見た映像には、陸路からこちらに向かってくるコンボイクラスの大型

トレーラーが一台。

ケンら、3名のメンバーが搭乗している “ マークン ” から約1km離れた

場所に停車すると・・・

大きな積荷(?)を覆っている幌のフックが自動的に外された。


ケン『どうやら、戦車同士のバトルになりそうだ。』

ミナコ「すごい至近距離から撃たれたら、さすがにマズイんじゃない?」

突然、モニターに太い書体の文字が表示された。


       ・問題ありません・


ミナコ「そうね、今まで全部マー君が撃ち落してくれたんだもんね!」

ティナ「ふつーさ、飛んでくるミサイルなんて無理だから。」

二人は簡単に言葉に出して言っているが、これは驚異的な事と思うほか無い。

ケン(こんな凄い物をプレゼントって、先生はいったい何を考えているんだ?)



『こちら、TESORO de GITANOS・・・ その戦車について話がある。

正直、ペイント弾当ての勝負なんてどうでもいいんだが、ダメか?』

まだ、幌が外されていない大型トレーラーからの通信だった。

「DRAUGの監査官、ミーティアーズです。 お待ちしてました。一応ですね、

提供したミサイルは使い切っていただいて・・ お話は、その後お伺いします。」

『・・・了解した。』


ティナ「ん~、待たせてくれるね~。」

ミナコ「ほんと、これじゃト・・・ 二人とも聞いてっ!!」

ティナ「わぅ!どうしたの!?」

ミナコ「あたし、大事なことに気付いちゃった気がする・・・!」

ケン『須田さん、まさか・・・』

ミナコ「この中、トイレが無いっ!!」

ティナ「・・・OMG・・・!」


犬小屋型PCがいち早く反応した。


    ・ミナコさんの問題提議は、重大案件の一つとして採用されました・

    ・現在二ヶ所の改造を検討、図面作成に入りましたが、新たに一ヶ所

     の追加が決定いたしました・


ケン「マークン、それ・・・どういう意味か、今ひとつ理解し辛いんだが?」

すると・・・


      ・この件に関しては、模擬戦終了後に説明いたします・

      ・対戦相手が起動するようです 警戒態勢を取ります・


まだ、対戦相手は鳴りを潜めているように見えた。 ・・・が。




















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