第32話 模擬戦 (2)

『こちら、オハイオ州の・・・オーグレイズ・キラービーズ。 

たった今、指定のポイントに到着した・・・

DRAUGのミーティアーズ監査官、応答願います。』

AUGLAIZE・KILLER-BEESのロゴがプリントされている、戦略ヘリコプター。


ステラ「DRAUGのミーティアーズです。 そちらのタイミングで始めてくださって

構いませんよ。 何か御質問は?」

『ひとつ、質問させてくれ。 ペイント弾ミサイルをターゲットに当てるのは

いいんだが・・・ そんな簡単な事でいいのか?   その割りにボーナスが

けっこういい額なんだが・・・』

ステラ「御心配無く、フェイクではありませんから。 どうぞ、遠慮無さらずに当てちゃって下さい。」

『・・・・・』


戦略ヘリコプターチームは、いったん着陸し、改めて作戦を練り直すことにした。

「・・・何か裏がありそうな感じ、しないか?」

「自分もそう思います。」

「当ててみなさい。・・・当てられるものならば、という感じでしたね。」

「これは推測でしかないんですが、今までに無い高度な命中精度の銃が装備されて

いる可能性があると見ているんですが・・・」

「とてもそんな風には見えないが、そう見た方がいいかも知れんな。」

「隊長、提案があります。」


ミナコ「・・・何やってんのかしら?」

ティナ「どうせさ、作戦会議でもやってんじゃない?」

ヘリコプターのローターが回り始めた。

ケン「来るぞ!」


戦略ヘリコプターチームは上空を旋回飛行した後、作戦行動と思われる位置に・・

付いた、と同時だった。

真正面と真上から一斉に発射された、模擬戦専用ミサイル。

すかさず、戦車の後方に回り込む隊長機。

前方と真上を向いた砲塔の死角を狙った。 ・・・はずが・・・

硬い路面に鞭を打ちつけたような破裂音が3発。

わずかに遅れ、軽い爆発音も3発。

ミサイルは全て粉塵を含んだ煙と化していた。

「・・・・・・」

上を向いていた砲塔が素早く後方に転回し、ミサイルを迎撃していたのだった。


「・・・そういう事か・・・」

『隊長、自分は昔、超高出力レーザーの発射実験の映像を見たことがあります。  この戦車のも、何かすごく似ている・・・ そんな気がしてならないですが。』

通信に割って入る、監査官の事務的なアナウンス。

ステラ『みなさんお疲れ様でした。参加賞は後ほど振り込まれます。気をつけて

お帰りください。』


ヘリコプターチームが飛び去った後、サインボードの文字を組み替えるステラ。

その文字は・・・



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