第14話 手がかり (3)
ミナコ「これ、リーダーの事じゃない?」
ケン「ちょっと、見せてください。」
大原留美の物と思われるスマホのメモ欄に、びっしりと長文が。
『モトイ君が、これを見ているって事は無事にここまで辿り着いた・・・
で、いいのかしら? もし、付き添いの社長さんと連絡とれるよう
だったら、ぜひ伝えてほしいです。ルミちゃんは無事だと言う事を。
ただ、モトイ君がこのスマホを見ている場所にルミちゃんはいません。
訳あって、私が救出し、預かっているという形になります。
だからと言って、すぐお返しする訳にはいきません。
なぜなら、絶対安静してないと命に関わるから。
先ほどの空爆に巻き込まれてしまったのは、残念ながら事実です。
でも、私が近くにいなかったら、ルミちゃんの命は無かった。
それくらい、ひどい状況でした。
ですから、完全に回復するにはどうしても時間が必要です。
ルミちゃんが充分に回復し、「もう、帰りたい」と言うのであれば、
その時は付き添いの社長さんにお返ししたい、てゆうか、送り届けて
あげたい。そう思ってます。でも、それにはモトイ君の協力と仲介が
無いとダメ。 なんたって、私はモトイ君のケータイ番号とメアド、
知らないから。一応ね、社長さんの番号とメアドは記録されていた
けど、見なかった事にしておきました。いきなりメールを送りつける
なんて失礼にあたると思ったし、第一、電波の届かない場所では送り
ようが無い事も分かっていましたから。 私は父みたいにハッキング
で第三者にメールを送るなんて芸当、まず無理なんで、しかたなく
ルミちゃんのスマホを置いてメッセージを残す、という形を取らせて
いただきました。 ところで・・・
モトイ君がこのスマホを見ている場所。 このまま、いつまでもいる
と言う訳にはいかない状況なのは、すでに承知していると思います。
そこで・・・モトイ君へ、私と父から素敵なプレゼント。
次のページにトリセツが書いてあるから、ぜひ読んでね。
そうしないと、いつまでもそこから出られないまんまだから。
で、これから先・・・ ルミちゃんを追いかけるか、私の動向を気に
するかは、モトイ君の自由です。 あくまで、真実を知りたければ
ですけどね。
モトイ君の先生、イングリッドより。』
ミナコ「リーダー、モトイ君の先生って・・・?」
ケン「俺が中学の時の・・・英語の先生です。 確か、大原も習って
いたはずです。」
ミナコ「・・・そうだったんだ・・・。」
ティナ「なんなの?この人。医者なの?」
ケン「そんなはずは無いんだけどな・・。ただ、当時から謎は多かった。」
ティナ「なんかねぇ、この人、今は活動家みたいな感じする。」
ミナコ「リーダー、トリセツのページだけど・・・いい?」
ケン「行っちゃいましょう。」
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