第24話 オリンピック。
学校への帰り道。
「龍ヶ崎さん、あの。」
「ん?てか、あーしのことは綺羅でいいよ!」
「え、いや、それはさすがに……。」
男女が名前で呼び合うって、それはもう恋人では?!
「じゃあせめて龍ヶ崎でいいよ!さんはいらないから!」
「あ、それなら、じゃあ。その、りゅ、龍ヶ崎……。」
「ん??どした!」
なんでそんなに笑顔なんだ。
死にそうなくらい恥ずかしい。恥ずか死いぞ。
「あの、その、さっき。励ましてくれて本当にありがとう。」
「もういいって!てかあーしこそさ、変なとこ見ちゃってごめんね。」
「あ、それは大丈夫。」
「ありがと!やっぱりゆーまは優しいね。」
「え?」
やっぱり?って。
「実咲ちゃんのこともさ、なにも言い返さずに謝ったのをおとなしいとか弱気なだけって言っちゃえばそれまでだけど、あーしはそういうの優しさだと思うな。」
「そう、かな?」
「だって、実咲ちゃんは春日井をカス甲斐とか言ってたけど、ゆーまのゆうは優しいって漢字でしょ?だからきっとそうだよ!」
謎理論。
「俺からすれば龍ヶ崎の方が優しいと思うけどな。」
「うーん。あーしのは優しさって言うより、強がり?かな。」
「強がりってそれは、」
「あ、学校の門見えてきた!よーし、競走だ!」
走り出す龍ヶ崎。
「え、えぇ、ちょっと!」
少し遅れながらも後を追う。
ギャルとのかけっこ。
世界一楽しい陸上競技の開幕だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます